シティ・マラソンズ

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シティ・マラソンズ シティ・マラソンズ
三浦 しをん 近藤 史恵 あさの あつこ文藝春秋 2010-10
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三浦しをん、あさのあつこ、近藤史恵著

3人3作
三浦しをんさんは一応私ファンです。 かなり読んでいると思うし、短編集アンソロジーなんかで見かければ当然読むし!  だからこの作品も取り上げたのですが…あさのあつこさんも何冊か読んでいるな。 でも近藤さんは初お目見えだと思います。 手当たり次第に読むところもあるのでひょっとしたら何か短編読んでいるのかもしれないけれど。
で、この3編は納得!です。 それぞれに好きな部分や言葉がありましたが…意外なことに?近藤さんの「金色の風」が一番いいなぁ…と思って読みました。素直に等身大で今が生きにくい若さが描かれていましたし…自分を見出していく過程も素直で自然でしたね。
3作とも読後感の良さが身上です。 お3人の一番気持ちのいいところが見事に集積されました…と、思ったらなんだかスポーツ用品メーカーの広告?キャンペーン作品ですって?
だから不愉快なところがなかったのか?でもいいです。 スポーツを特別神聖視して描いているわけでもないけれど、スポーツから新鮮な風がというかそれぞれ思いやりや友情や再生がそれぞれのテーマから気持ちよく流れてきます。なんだか走っていると過去から未来にちゃんと行けるんだ…みたいな信仰が生まれちゃいそう!
ニューヨークマラソンて面白そうだな…いつか見に行って沿道で応援楽しみたいなとか、パリでこんな風な街に溶け込んでいくような生活してみたいなとか…主人公たちがちゃんと再生していく安心感から他のことに気が移ってしまった感はあるけれど、読後感の良さがなんともグッド!

謎解きはディナーのあとで

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謎解きはディナーのあとで 謎解きはディナーのあとで
東川 篤哉小学館 2010-09-02
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東川篤哉

この本を借りてきてテーブルに置いておいたら、やってきた息子が「またなんとらしくない本があるじゃないの、面白かった?」と聞いた。 らしくないってことはないのよ、私の好きな謎解きものだからね。でもなんとなく照れてしまったのは…あまりにも子供っぽいような気がしていたからだね。 お手軽に過ぎるっていうか、大人が子供の漫画を盗み読みしていたのが見つかったような?
車いす(又は安楽椅子)のディテクティブものって…昔アメリカのTVドラマにもあったよなぁ…って思うんだけど…アイアンサイドだ?
短編6冊。殺されたのが6人、犯人が6人。
軽く読めて、くすっと笑えて、なるほどウマイヤ!って思ったんだからそれで十分。他に何を望む? でもところどころこれはこうでもあり得るぞ、なんて茶々入れられるようなところもあった…って思うのよ。 でもさーっと読んでしまったので、あとでそう思ったのどこだったっけ?と思ってももう忘れてる。 一応執事さんに語りだす前に犯人考えてみたりはしたんだけど…主人公じゃないけれど…考えるのも面倒って事件も多かったな。 殆どの登場人物には当然のことながら?…生きてる人間って気が一切しなかったな。あまり血が通っている気がしなかったんだけど、却ってそれがさらっと読めた鍵かな? 模擬人形の世界みたいだった。 読んじゃった!だけど、読まされちゃった!ではないんだね…って、やっぱり変な照れてる言い訳かな?

使命と魂のリミット

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使命と魂のリミット (角川文庫) 使命と魂のリミット (角川文庫)
東野 圭吾角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-02-25
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東野圭吾著

なんかちょっと大上段に?ロマンチックな題だなぁ…と思いながら、ようやく図書館から回ってきたので取り掛かりました。 そして内容も確かに大上段に真っ向から…なんて言うのか…ロマンチシフル?サスペンシフル?…んな言葉あったっけ?でした。
大筋が2本。氷室先生と西園先生の軸と直井譲治と島原総一郎の線…と言っていいだろうか? その2つの因縁物語の上に事件解明?へのプロセス、刑事七尾さんのご活躍。と、まぁ書いてもいいだろうか。 氷室先生の長年のジュクジュクとした粘着性の疑惑と復讐、譲治の失われた恋人へのくっきりとした復讐の意志とが対極に描かれて…別にこれは女と男の資質の違いではないだろうけれども…考えさせられる。
頭のいい人の復讐は…なんだか怖いなぁ・・・と氷室先生の思考と周りの人へ投げかける濃い蔭に少々辟易するものの疑惑は疑惑として読むものをとらえて離さない。 そして傍らで恋人の無念にやりきれない繊細な気持ちの一途な青年がいて…目的は確定しているのに周りの人を思いやる心が痛くて…これまた読む者の心をとらえる。 一気に読みふける魅力に満ちていて…この作家のストーリー展開はやはりうまいなぁ…と満足して読んだ。
西園先生が典型的にできすぎなことを除けば…いや島原も典型的によくない方でできすぎか…?でも尊敬する先輩の後を脇目も振らず歩いてきたらしい七尾刑事がいい出来だなぁ。
主人公の周りの人々のなんと思いやりに満ちていることか。こういう幸運はほんと、まれなんだよ。と心を戒めておこう。

マドンナ・ヴェルデ

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マドンナ・ヴェルデ マドンナ・ヴェルデ
海堂 尊新潮社 2010-03
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海堂尊著

「医学のたまご」「ジーン・ワルツ」の姉妹編
曽根崎シリーズとでも名前が付くのですか?
そうなんだ! 薫ちゃんと曽根崎慎一郎の関係が実に魅力的だったから、完璧親子と思っていたけれど…ひょっとして薫ちゃんの遺伝子は…?
清川先生も大変だね…って…あれ?ジーン・ワルツの話もう忘れてる? あれ?って、先日映画「ジーン・ワルツ」見てきちゃったのね。 これが…失敗か?どうも話がややこしくなって…清川先生、自分の息子が(または娘が)できたって知っているんだっけ? 少なくとも映画では感ずいていたよ。
アーわかんなくなった。
でも考えてみればそれはどうでもいいことなんで…要は代理母が問題。 外国で代理母に生んでもらった子が日本で戸籍難民になっているってニュースを見たような…あれはだいぶ前の話だよ。 それでその後その話はどうなったんでしょ? 不覚にも…知らない。
私はもう代理母にもなれないし…孫ができる気配もない。 だからあまり深刻にこういう問題考える必要もなかった。
でも、日本の将来を考えて青写真を提示しなければならない政治家の方々にはちゃんと考えてもらいたい!もんだ。
そう、日本で子供がまた増えだして、人口のピラミッドが健康な形?になるためには…産婦人科と小児科の立て直しは大前提だからね。 理恵先生の大向こうへの問題提起は子供の将来を真剣に考える祖母兼母のみどりさんによって阻止されたまんま、行き詰ってしまったのですから。 ここでは事態は前進しなかったのですね。ただ理恵さんが母となって、母となれて?どのような進歩を遂げたのか? そこが知りたいところですね。 それにしても、こんな女性いるんだ? なんだか二人とも変な女性!それはさておき、産婦人科の女医さん増えているはずなんだけど…と、思うんだけど?…その方々で将来ビジョンを描いてもらえないものですか…ね?  ただこの国に今子供が生まれてきても、幸せは保証できないって感じがどうしてもするんです。 厳しい世界を生き抜かなくちゃならないんだよ…って、いたいけな赤ちゃんに警告しなくちゃならないような。 希望を提示できないような。 とりあえず大人が胸を張って…生まれてきてよかったね、ありがとう!素晴らしい未来が君を待っているよ…って胸を張って言える社会を作るのが…まず大人の覚悟!ってものでしょう。

あんじゅうー三島屋変調百物語事続ー

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あんじゅう―三島屋変調百物語事続 あんじゅう―三島屋変調百物語事続
宮部 みゆき中央公論新社 2010-07
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宮部みゆき著

「三島屋変調百物語事続」と題が付きます。2冊目になります。
新聞に連載されていると聞いていましたから…本になるのを期待して待っていました。で、出た!と、図書館に申し込んで…いったいどのくらい待ったのか?ようやく回ってきました。「事始」の続きで「事続」…この次は「続事続」なのかなぁ…なんてつまらないことを心配していますが…読み終えてもう続きを期待していますが…連載は終わってしまったんでしょうか?続いていますか?
さて、おちかさんがとても明るくなったのに…私も明るくなっています。掲載の4話も少しづつ明るさを感じるようです。
「逃げ水」のお旱さんは心置きなくたっぷりの水に取り巻かれて…穏やかにお鎮まりになるだろうし、平太も行く道が見えたし、三島屋の連中は大笑いできたし、おちかさんも。いうことなしの明るいお話。
2話目の「藪から千本」は針屋の怪談、幽霊怨霊話。だけどもそこはそれ人の心の闇が見せるお化けのお話。それでも終わりよければ…ちゃんと収まるところに収まって、おちかさんにはお勝さんという強い味方ができて、これから話の聞き方が少し変化してくるのだろうなぁ…と予感させられた。
そして3話、「あんじゅう(闇獣)」くろすけのお話。 どうしたって「まっくろくろすけ」を思い出しちゃうけど…日本の古い家の真っ暗な片隅。闇が当たり前のように家の中に蹲っていたころには確かに各家に生息していたかもしれない懐かしいお化け。 このくろすけと新左衛門とお初夫婦との交情の様には泣かされる。哀切でやさしくていじらしい。まっすぐに心にしみてくるいいお話が挟まった。
4話「吠える仏」はそのまま3話から引きずって…登場人物に青野若先生が増えそうな予感も。 それでもこういう登場人物が登場するのに…まだ100分の数話目!っていうのは早すぎる…なんて思ってみたり。
それにしても、物語性の豊かな素晴らしい才能だわ!と宮部さんに改めて…って、読むたびに、感嘆!

悪意

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悪意 (講談社文庫) 悪意 (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2001-01-17
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東野圭吾著

「赤い指」「嘘をもうひとつだけ」「新参者」に次いで加賀恭一郎シリーズ4作目。
本当にますます順序めちゃくちゃ。 相変わらず新刊の「待ち人多し」っていう本から予約しているからです。 こんなに読みたい本が山積じゃぁ…いったいどうするんだ?です。
さて、この作品アガサ・クリスティ―の「アクロイド殺し」を思い出させた。 犯人の手記があるという点でこの作品を思い出したのだけれど。私が知らないだけでこういう形の推理小説って結構あるのだろうか?
この作品の犯人の手記は初めっから?警察をミスリードするために書かれたものだったから、本質的には違ったのだけれど。
意外なくらい杜撰な手記で?犯人が早くに割れてしまった後が長かったー。
だからこの作品は大半が犯人(主人公と言っていいだろう)の人格を読み解くことで動機が分かってきて…解決に持ち込むまでのプロセスが見せ場だった。犯人と被害者の人となりを読み解く作品だったということだ。
よくいう通りに?犯罪者の性格が犯罪を形成するのだ!
犯人の手記と加賀さんの記録の行ったり来たりを、つまり双方向から事件の様相を読むのを面白いと感じるかどうかがカギだと思うけれど、今回も加賀さんの人間洞察の見事さに脱帽させられるのだけれど…私はちょっと煩わしさにとらえられて、一気の面白さに欠けるうらみがあるなぁ…と思ってしまった。
私の頭には煩雑すぎたってことか?
それでも…だからか?加賀さんは読むたびに好きになる。
形成途上なのかもしれないのに? だって私はまだ若いころの?加賀さんをあまり読んでいないのだものね。
まだまだ面白い作品ができるかもねぇ…趣のうんと変わった沢山の作品を読みたいな。
事件そのものにものすごく意外性があるというより、加賀さんと犯人のかかわり方が目新しい…っていうような作品が。
新刊が出たようなので予約しよう。 加賀さん今何歳なのかなぁ? 定年まで刑事やってくれるかなぁ?

十日えびす

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十日えびす (祥伝社文庫) 十日えびす (祥伝社文庫)
宇江佐 真理祥伝社 2010-04-14
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宇江佐真理著
描かれた世界も、そこに息づく人も…全く問題なく! …完璧に個々の描かれた人々とその生きざまは紛れもなく江戸の庶民だけれども…ちゃんと現在ここに生きている人々そのものでもあって…なかなかなかなかと頷いて読み終わったんだけれど…でもこの苛立ちはなんなんだろう。
あまりに人の好い人に対する…嫉妬?
なんでこんなにお馬鹿でやさしいの?…でも結局幸せに生きていく人にはこういう資質が不可欠なんだろうなぁ…という納得感もちゃんとあるんだけれど。
誠実なんだね。 この主人公は。 自分の思いにも、託された子供たちにも。 対照的にお熊を配して…その手際が?あまりによすぎるために、私はいらいらが募るばかり。
じりじりじりじり…いらいらに炙られているような按配で、どうにも肝が煮えた。
でもちゃんとわかってはいたのですよ。 だから私はお八重さんのように近所中のだれからも好かれ邪魔にされない…そしていつの間にか…本人は何かにあたるたびに自分の方が引っ越そうかなんて考える弱腰に見えるのに…ちゃんと自分の場所を確立していって、愛情もちゃんと勝ち得てという風になれないのだってことは。
そう、踏みとどまる線をできるだけ遠くにおいてぎりぎり踏みとどまっている人の繊細な勇気ですかね?ため息をついて認めざるを得ないのは?
強くなくてもいい、弱くではあっても、日常から逃げないで日常の何事にも向き合わなくちゃってことですか? 私がお八重さんから学ぶことは。それでもやっぱり…いらいらするんですよね。

時平の桜、菅公の梅

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時平の桜、菅公の梅 時平の桜、菅公の梅
奥山 景布子中央公論新社 2011-02-24
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 奥山景布子著

 

この作家の2冊目の本になる。  私の興味のある時代を舞台にした小説をこれからも書いてくれそうな気がして、期待している。  意外な気がしたのは…この主題だったら、たいていの人は菅公、菅原道真の立場からの話が当たり前な気がするから…。

この時代、権力の頂点にあった藤原氏の側からの視点で描いた作品がこんなに面白く読めたのは、この少壮の政に命を懸けて志そうとする時平という人物の造形にかかっているのだろう。  道真の晩年の大宰府左遷が頭ごなしの権力から出た沙汰ではなく…そこに至った道程の遙かだったことが面白く読めた。  またその主題のひとつに漢詩と和歌の違いという論点?があったことがこの作品に深みをもたらしたのだろう。  この作品の菅公は私にはあまり親しみたい人物には生り得なかったが、紀貫之は面白い魅力的な人物になっていた。ひょっとするとなかなか煮え切らないように見える時平その人よりも。 しかしそうは言っても、年若い主上が物の怪におびえるところを機転と胆力で乗り切るところなどはなかなか読みごたえがあった。    王朝風をイメージするためか?巻の冒頭ごとに時が飛んでその行間で時の流れを感じてもらう…という意図があるのかもしれないが…それが同時に時平の人間性をあいまいなものにしているようで…時にいらいらしたが…それこそが作家の書きたかった時平という人物であり、菅公の人間性のとらえどころのなさに通じるようでもあった。時平は政の最後の責任を負っていくと言っていたが負っていくには結局菅公という人をとらえきれなかったのかもなぁ…。 心の中で大きくしてしまった幻と格闘していたのかもなぁ…という切なさが心に残った。

 

光媒の花

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光媒の花 光媒の花
道尾 秀介集英社 2010-03-26
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道尾秀介著

 短編6話がぐるっと回っていく往還の?物語集。   全部読み終わってみるとなんだかちゃんと長い物語を読んだなぁという満足感がある。

第1話に出てきた公園の男の子が、2話のホームレス殺しをしたと思う小さなお兄ちゃんで、実際にホームレスを殺したのは世界を閉じ込めて生きるホームレスの男で、彼が3話の主人公で初恋のサチを助けられなかった少年だ…という風に物語は連なっていく。そのサチが第4話の主人公で小さな女の子がトラックにひかれることから救う。 そのトラックを運転していて危うく事故をまのがれた青年が第5話の主人公で姉の病気を心配している。その姉が最後の第6話の主人公の先生で受け持ちの少女と心を通わせることができたが、そのきっかけになったのは第1話の父の愛人を殺してひっそりと生きる印章屋だった…と続く。連作になっているが一つの街の人々の隠された人生の1ページを描いて、人のつながり人生の重なりそんなものが見えてくるようだった。蝶道というものがあると本の中にあった。本当にあるのだろうか? この作品のすべてに共通するトーンというか、底には悲しみが流れている(前半3作には悲惨さも怖さも)が、しかし蝶がその物語の中を鱗粉をまき散らしつつ揺れ飛んでいく光景が…時には少女のブローチだったりもしながら…イメージを連ねていく。それが、鱗粉がまるで白い靄のような明るさを物語全体に漂わせることになっているようだ。(しかし鱗粉は気持ちが悪い!)

この作家は表現がどんどん上手になっていく…と感嘆して読んでいた。すべての作品を読もうとは思っていないが(だって、ホラーがあるようなので)、私が選び取った作品はそれぞれに読後に見事な満足感や感動があった。それぞれの人の真情を彫り上げるような叙景や象徴の繊細さにうなりつつ読んでしまった。

でも一番好きなのは、まだ、「カラスの親指」かな。

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
道尾 秀介講談社 2008-07-23
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ゆんでめて

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ゆんでめて ゆんでめて
畠中 恵新潮社 2010-07
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畠中恵著

 

この作家特有の?江戸言葉の表題です。 今は失われた?こういう言葉は楽しくもありますけれど「あまた」みたいにあまりに煩雑に思われるとうっとうしく思うこともあります。   表題にこのひらがなだと…何のこと?と思う人も多いでしょうが、畠中さんの作品を愛する人には…わかるのも楽しみでしょう。ゆんで、めてはまだ死語じゃないでしょうけど。       さて、図書館頼りの私、なかなか発表順に読んでいるか自信がないので、読み始めてしばし「あら、やっちゃった。なんか一作抜けたわね?」と、思いました。だから妙に不安で、わかっているんだかわかっていないんだか…でもそれにしてはなんかまじないにかかっているように道がある感じで…だんだん…そうか!そういう趣向か?意表を突かれました。          映画にもこんなのが結構ありましたね。 生きるか死ぬか?  あっちかこっちか? あの時あっちの道を選んでいたら…?たいていは選んだ道がなじむ道であるっていう落ちなんですが。   畠中さんのこの作品はずーっとそこに屏風のぞきさんの喪失感を引きずっていたので…奥行きができたようです。ちょっとマンネリか?と思わないでもなかったので、起死回生の一作かとも思えました。 

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