横山秀夫著

当然と言えば当然!必然と言えば必然?
今年第一作は横山さんになりました。
正月休みは「指輪物語」!と、読み始めたのですが、そこそこ落ち着いて本を読む時間が無くて、第1巻を読み終わったところで休みは時間切れです。
休み明けメールの第一号は図書館から到着、横山さんの「真相」だったと言うのが真相?
昨年からの流れで行けば順当だ!と納得して・・・
五つの短編が収録されていました。どれも事件の裏の真相が主題です。それも一ひねりと言うか、裏の裏を行くというか真相が浮かび上がってくる構図です。
そしてそれがどれもはっきりいって頷けない、了解できないものなのです。厭だわ、ひどいわ、こんなの受け入れたくないわって言う気持ちになります。
勿論横山さんの作品の私が好きな部分はちゃんとあります。
でも、辛いだろうなぁ・・・と真相を見た人に寄り添ってあげたい気分です。それこそ余計なお世話でぶっ飛ばされそうですが、そうさせてもらいたいという止むに止まれぬ気分に駆り立てられます。
そうっとしておいて上げるわけにいかない・・・それでは済まない・・・という状況をよくもまぁ思いつくなぁ・・・横山さんは・・・!
だから私は「真相」では篠田が離すまいと思った美津江の手にそっと自分の手を添えて暖かくしてあげたいと思い、「不眠」では山室の耳から「ザザザザザッー」のボリュームをなんとか一つ絞ってあげたいと念じ、「他人の家」では映子さんの手を貝原の方に押しやり彼らの家を作れる方法を考え込むのです・・・(えー私も犯罪に手を染めるの?どうすればいいのでしょう?この状況は難題です。)
でも、「他人の家」はまだかろうじて?作中の彼らに寄り添える・・・そんな気がもてますが、「18番ホール」はどうにもなりません。
「破」ですか?何でこんな作品入れたんだろうって作家に泣きを入れたいくらいです。
「花輪の海」も辛いですが彼らには何か未来を予感させる若さもありますが・・・だからこそ、この作品群に「18番ホール」は入れて欲しくなかったなぁと読み終わってため息をついています。
そしてやっぱり「年の初めは指輪物語を完全読了してから横山さんに取り掛かるべきだった!」と、反省?しています。反省って?これが運命!
今幸せな気分でいる人にも、暖かいひと時が欲しい人にも横山さんのこの作品はやっぱりお薦めできないなぁ・・・暖かくはなれないけれどもそれでもいい、人の世にすがりつけるものが、よすがでもいい、かけらでも欲しいと切羽詰っているなら?・・・それでもどうかなぁ・・・。
友人に山崎豊子さん大ファンがいます。
「凄いわよ。調べつくして、構築して、濃厚極まりない世界よ!」
彼女が薦めれば薦めるほど、尻込みする私ですが・・・でもね、横山さんを読んでいると何でも読めるんじゃないかな?という気がしてきます。
「豊子でも清張でも持って来い!」(スイマセン)って。
それくらい横山さんの描くものはある意味(負ケテイナイゾ)濃厚濃密、きつーい!短編でさえこうよ!