プラチナデータ
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東野圭吾著
「これを読み終わったところ」と知人に言ったら、「娘もちょうど読み終えたと言って家にあるけど…あの子東野さんのファンなのよね、面白い?」と聞かれた。
「まずまず面白かったよ。東野さん当たり外れはあるけれど面白いのいっぱいあるんで目を離せないのよ。」と答えたら「娘も全く同じことを言っていた」と笑われた。 だからこの本は読んでみようかな…というのが彼女の結論だったのだけど…
はたして彼女に面白いか?と思ったら急に心もとなくなった。 ガリレオさんか加賀さんなら絶対おすすめなんだけど…まだそれにも手を付けていない人にはどうかな?
近未来を扱った映画などの既視感があって、 着想そのものがものすごく新しいわけでもない。 人間も新しい階級制度に…というか階級制度から未来も逃れられないんだ…なんてきっとそうなんだろうね…と、私には厭世観?に近いものがある。 最近の日本に生きていると私が生きてきた時代は最高に日本が生きやすかった時代だと思ってきたけれど…それも終末に近づいているんだなぁ…等と素直に思ってしまえるところが何かなぁ。 政治家のせいだ!それを選んだ自分たちのせいだ…だから結局は自分が悪い!みたいなスパイラルに陥って、明るい未来をまた指の隙間から取り落としてしまったような気がする。
このDNA管理社会は結局同じ遺伝子を持った者が互いを縛りあう村社会みたいなものになって…戦中の隣組か? 血族共同責任社会か? 背番号だって進まないのに…いややっぱり進むのか? なんてなんとなく納得してしまったよ。 今の日本ってするべきことがちっともできない国になっているものね。 で、気が付いてみたら、だから作家はどうだっていうのよ?となんだかそれで終わったの?それで終わっていいの?みたいな尻切れ感が惜しいような。
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