下町ロケット

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下町ロケット 下町ロケット
池井戸 潤小学館 2010-11-24
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池井戸潤著

私にとって池井戸さんの2作目です。友人から面白いから…と押しつけられたときは、私は企業小説好きじゃないのに…と、少々迷惑に思いました。…のに、恐ろしいくらい前のめりで寝ずに読み通してしまいましたっけ。 「空飛ぶタイヤ」でした。実話が元ですよね…と、思ったことも興味を募らせた要因ではありましたが…。で、この小説、あの池井戸さんの作品であの作品では取れなかった直木賞作品? というわけで申し込んで…私が手にした後も現在 八百数十人待ちが続いています。 東野さんの新作並みの待ちです?
で、またデジャブ!これも実話が元ですかね?  夢中で読んじゃいましたけれど…緊迫感では空飛ぶタイヤの方でしょうね。 こちらの作品は…夢がありましたから…明るさがありましたね。だからか安心して読めました。 作家が意図したことかどうかはわかりませんが優しい小説でしたよ。
佃さんが困り果てているときでも…殿村さんがいましたもの。 って、トノさん?どうしてああできたんでしょう? ああなったんでしょう?というべきですか? 誠実だからとか若手に火のついた佃魂?とかは途中入社というか出向のこの銀行マンにはそもそもないものだったのに。 何処でこの社長乃至会社にひきつけられたのでしょうね。 彼の心の葛藤がもう少しあるとより緊迫したかも…なんて思っています。 始めの方でトノさんが完全にこっちについたんだ!何人力かでしょう?金融マンの頭脳に戦術に…あの誠意?
佃さんも素敵なら殿村さんも彼の部下たち工員さんたちも…でも多分…今はますます…こういう技術力のある会社は…なくても一生懸命ものを作っていた工場・会社は中国かどっかへ引っ越しちゃったか、奪われたか、なんかなんだろうな。 今一番しなきゃならないことはこういう工場の確保、就職先保全だよ…! 税率上げたって収入がなきゃ税は取れないんだから…!

シティ・マラソンズ

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シティ・マラソンズ シティ・マラソンズ
三浦 しをん 近藤 史恵 あさの あつこ文藝春秋 2010-10
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三浦しをん、あさのあつこ、近藤史恵著

3人3作
三浦しをんさんは一応私ファンです。 かなり読んでいると思うし、短編集アンソロジーなんかで見かければ当然読むし!  だからこの作品も取り上げたのですが…あさのあつこさんも何冊か読んでいるな。 でも近藤さんは初お目見えだと思います。 手当たり次第に読むところもあるのでひょっとしたら何か短編読んでいるのかもしれないけれど。
で、この3編は納得!です。 それぞれに好きな部分や言葉がありましたが…意外なことに?近藤さんの「金色の風」が一番いいなぁ…と思って読みました。素直に等身大で今が生きにくい若さが描かれていましたし…自分を見出していく過程も素直で自然でしたね。
3作とも読後感の良さが身上です。 お3人の一番気持ちのいいところが見事に集積されました…と、思ったらなんだかスポーツ用品メーカーの広告?キャンペーン作品ですって?
だから不愉快なところがなかったのか?でもいいです。 スポーツを特別神聖視して描いているわけでもないけれど、スポーツから新鮮な風がというかそれぞれ思いやりや友情や再生がそれぞれのテーマから気持ちよく流れてきます。なんだか走っていると過去から未来にちゃんと行けるんだ…みたいな信仰が生まれちゃいそう!
ニューヨークマラソンて面白そうだな…いつか見に行って沿道で応援楽しみたいなとか、パリでこんな風な街に溶け込んでいくような生活してみたいなとか…主人公たちがちゃんと再生していく安心感から他のことに気が移ってしまった感はあるけれど、読後感の良さがなんともグッド!

使命と魂のリミット

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使命と魂のリミット (角川文庫) 使命と魂のリミット (角川文庫)
東野 圭吾角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-02-25
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東野圭吾著

なんかちょっと大上段に?ロマンチックな題だなぁ…と思いながら、ようやく図書館から回ってきたので取り掛かりました。 そして内容も確かに大上段に真っ向から…なんて言うのか…ロマンチシフル?サスペンシフル?…んな言葉あったっけ?でした。
大筋が2本。氷室先生と西園先生の軸と直井譲治と島原総一郎の線…と言っていいだろうか? その2つの因縁物語の上に事件解明?へのプロセス、刑事七尾さんのご活躍。と、まぁ書いてもいいだろうか。 氷室先生の長年のジュクジュクとした粘着性の疑惑と復讐、譲治の失われた恋人へのくっきりとした復讐の意志とが対極に描かれて…別にこれは女と男の資質の違いではないだろうけれども…考えさせられる。
頭のいい人の復讐は…なんだか怖いなぁ・・・と氷室先生の思考と周りの人へ投げかける濃い蔭に少々辟易するものの疑惑は疑惑として読むものをとらえて離さない。 そして傍らで恋人の無念にやりきれない繊細な気持ちの一途な青年がいて…目的は確定しているのに周りの人を思いやる心が痛くて…これまた読む者の心をとらえる。 一気に読みふける魅力に満ちていて…この作家のストーリー展開はやはりうまいなぁ…と満足して読んだ。
西園先生が典型的にできすぎなことを除けば…いや島原も典型的によくない方でできすぎか…?でも尊敬する先輩の後を脇目も振らず歩いてきたらしい七尾刑事がいい出来だなぁ。
主人公の周りの人々のなんと思いやりに満ちていることか。こういう幸運はほんと、まれなんだよ。と心を戒めておこう。

時平の桜、菅公の梅

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時平の桜、菅公の梅 時平の桜、菅公の梅
奥山 景布子中央公論新社 2011-02-24
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 奥山景布子著

 

この作家の2冊目の本になる。  私の興味のある時代を舞台にした小説をこれからも書いてくれそうな気がして、期待している。  意外な気がしたのは…この主題だったら、たいていの人は菅公、菅原道真の立場からの話が当たり前な気がするから…。

この時代、権力の頂点にあった藤原氏の側からの視点で描いた作品がこんなに面白く読めたのは、この少壮の政に命を懸けて志そうとする時平という人物の造形にかかっているのだろう。  道真の晩年の大宰府左遷が頭ごなしの権力から出た沙汰ではなく…そこに至った道程の遙かだったことが面白く読めた。  またその主題のひとつに漢詩と和歌の違いという論点?があったことがこの作品に深みをもたらしたのだろう。  この作品の菅公は私にはあまり親しみたい人物には生り得なかったが、紀貫之は面白い魅力的な人物になっていた。ひょっとするとなかなか煮え切らないように見える時平その人よりも。 しかしそうは言っても、年若い主上が物の怪におびえるところを機転と胆力で乗り切るところなどはなかなか読みごたえがあった。    王朝風をイメージするためか?巻の冒頭ごとに時が飛んでその行間で時の流れを感じてもらう…という意図があるのかもしれないが…それが同時に時平の人間性をあいまいなものにしているようで…時にいらいらしたが…それこそが作家の書きたかった時平という人物であり、菅公の人間性のとらえどころのなさに通じるようでもあった。時平は政の最後の責任を負っていくと言っていたが負っていくには結局菅公という人をとらえきれなかったのかもなぁ…。 心の中で大きくしてしまった幻と格闘していたのかもなぁ…という切なさが心に残った。

 

曙光の街

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曙光の街 (文春文庫) 曙光の街 (文春文庫)
今野 敏文藝春秋 2005-09-02
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今野敏著

 

警察ものとかスパイものとかハードボイルとか…を扱った作品が好きなんだから読んでみるか…と、貸してもらいました。で、初めて読んでみたのです、この作家、ずいぶん作品が出ています。好きになればまたこれも泥沼。 

で、好きになったかも! こういう作品の主人公の男の人って…やるせない!切ない!だけどたまらなく魅力的。 本能のどこかにクールを装ったいじらしい優しさが組み込まれているんだろうね。 間違ってもやりすぎない。程よく微笑む。 このほどの良さは…泣ける。 復讐すら何とも程のよいところで完結する。 どうしようもなく引き寄せられてしまう。

こういう小説を読むと普段まったくと言っていいほど女性であるということを意識していない私が女性に返る。 ヴィクトールの生きている立場のなんとやるせないこと! 追い込まれる究極の選択。 そしてその見事な知性&腕力&技能の完璧さ。 絶対男性読者のために書かれた作品だとは思うけれど、男が惚れる男には女も惚れる。 兵頭にしろ倉島にしろほんまもんの男のそばにいるとほんまもんの男になるんだねぇ…と、なんだかハードボイルを読むたびに私はつぶやくんだな。しかし日本って本当に甘い国なんだね? 国境はどうなっているのかな? 公安は機能しているのかな? ともつぶやくんだね。ま、たまにいい男も排出するからいいのか!

さて「次も読んでみるか?ヴィクトール」と、父が言った。

そう、この本はちょうど卒寿を迎えた父から回ってきたんですね。90歳が読む本かなぁ…読む本だわ、結末のなんと甘美なことか!

 

 

 

新参者

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新参者 新参者
東野 圭吾講談社 2009-09-18
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東野圭吾著 

加賀恭一郎シリーズというものを8冊近く書いているらしい。ということを知って(「赤い指」と「嘘をもうひとつだけ」は既読)順次読んでいこうと思っていたのですが…TVに先を越されました。東野さんの新作はほとんど当分手に入りそうもありません。文庫になったものを選んで買って読み始めよう…と言っていた父から回ってくるのを待つほうが早いかな?古いものは手に入るからそれから読めばいいのに、新作の予約を図書館にしてしまうとそれを待つ気分になっちゃいます。といっている間に「赤い指」も「新参者」と同じ阿部寛さん主演でTVドラマ化されてしまいました。 「白夜行」の広告を見ない日はないし…東野さんは大ブームと言ってもいいかもしれません。                             阿部さんが私のイメージにぴったり合ったから、というより阿部さんファンだから、満足してドラマも堪能しました。    この作品は一章ごとに捜査の段階で浮かび上がる人形町の人々のドラマを丁寧意にやさしく見つめていて、その人ごとに小さな短編の趣があってとても読みやすい警察ものでした。 やはり阿部さんは一人オオカミのやさしいコロンボです。 最近見直していると、昔見ていた時よりコロンボにいやなものを見出している私ですが…この作品の加賀さんの暖かさは本当に心地よいです。 殺された主婦はあまりにも理不尽ですが、その理不尽さの周りにも地に足を着けて生活している普通の人々がいてその生活が普通に流れていて…というのが描きこまれていて、それがいいですね。                  加賀さんの捜査で人々の営みというものが浮かび上がってくるのが自然で読んでいて楽しかったです。 殺人事件の周りにたまたまいてしまった人々の普通の生活を傷つけない…こんな捜査を警察がいつもしていてくれたならなぁ…だけどこんな人間味も頭脳も兼ね備えた刑事を養成するのは…至難だなぁ。 人間の資質だよ…要は…と、まぁ思ったのですが。 いいドラマになっていました。

赤い指 (講談社文庫) 赤い指 (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2009-08-12
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嘘をもうひとつだけ (講談社文庫) 嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2003-02-14
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幸せになる長寿ごはん

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幸せになる 長寿ごはん 幸せになる 長寿ごはん
吉沢 久子朝日新聞出版 2010-04-20
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吉沢久子著

昨年末ぎりぎりに図書館から届いた。絶好のタイミングだった。 想像していたように懐かしい料理が載っていた。
「ああ、この料理忘れていたわ」とか「私のと作り方が違うんだわ」とか。 正月の間超マンネリの我が家お節を食べながら楽しんで読んでいた。 それで気が付いたのだけれど・・・最近とみに私は自分の嗜好に癖が出てきた事を感じている。
確実に若いときより根菜類が好きになっている。
旦那はいまだに緑の野菜―キャベツ・ほうれん草・レタスなどが好きだというが・・・私は余り好まなくなってきている。グリーンサラダはたまには悪くないが・・・野菜は根菜に限る。
大根・レンコン・ごぼう・人参が実に美味しい。
大根一本を醤油漬けにし、柚子大根にし・・・バリバリシャキシャキ食べながら・・・「あああ、はりはり漬けを忘れていたわ。」と、この本を見ていて思い出した。
そしてまた、確実にお酢が好きになってきている。
若いときには寿司、酢飯以外酢の物にはあまり興味がなかった。 あれば頂くけれど・・・特に作って食べたいとは思って居なかったのに。 今は野菜の酢漬け(マリネ)なんかをパリパリ頂く方がサラダよりよっぽど美味しい。
そんなこんなで、慌ててはりはり漬けを作ったのだけれど・・・。酢の物が好きではない旦那はそっぽを向いているので・・・一人でしょうが多すぎかしら? 唐辛子を減らして柚子をもう少し多くしようかしら?なんて、はりはり咀嚼しながら考えている。私のと少し違う吉沢さんの柚子大根にも挑戦しよう・・・で、夏には茗荷の酢漬けでしょうね。それを使って茗荷としょうがと大葉の酢飯なんていいかも? 見ているだけでよだれ・・・だけど・・・家の息子や旦那には受けが良くない料理が多いのが不思議。
私は長寿? 私だけなんて・・・いやだぁ・・・
 

精霊の守り人・闇の守り人

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精霊の守り人 (新潮文庫) 精霊の守り人 (新潮文庫)
上橋 菜穂子新潮社 2007-03
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闇の守り人 (新潮文庫) 闇の守り人 (新潮文庫)
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上橋菜穂子著

当分、上橋さん漬けになろうかな。
とりあえず読み直すために「獣の奏者」1・2巻は手に入れた。当然読み直しましたし。 3・4巻は文庫化するまで買うのは待つつもり。 で、序で手に入れたのがこの作品。 「守り人」シリーズがざっと6冊? 旅人シリーズが2冊?だから当分楽しみにはことかかないだろう。
本当に楽しみな作家である。 教えてくれた友人に感謝!
全巻読む前にとりあえず二冊の感想を書いておこう。
この作品も魅力的な世界がきっちり構築されている。ご丁寧にちゃんと地図も添えてある。 これだけで私はいつもどおり嬉しくなる。 そしてやっぱりこの国の言葉がある。 トールキンさんのように言語体系を構築しているわけではないが・・・勿論あれは別格中の別格。 それでもその言葉を読むたびにこの作品世界の中に埋没していく楽しさがある。
様々な人種溢れる世界。妖精らしきもの、霊魂らしきもの、神のごときもの、そして勇者。 権謀述作を労する権力指向悪人、健気な正義を愛する少年・・・冒険者の王道が素直に正直に展開される気持ちよさ。 
「精霊の・・・」の方は精霊を宿したチャグムが主人公なのだろうか?この世界、精霊も妖精も水も二元の世界もあらゆる生き物が主人公なのだろう。その世界観がファンタジーなのだ。魅せられる。
日本人が、いや日本人に限らないだろうが太古から自然に畏敬を感じてきた人間の太古の魂がこの世界にも満ちている。
その世界で冒険があり、不思議感に運び去られる。楽しい。しかし頼りなげな感覚にも惑わされる。 この世界の星読みとか呪術師とかに気を取られ、日々成長していくチャグムに気を取られ、タンダの知識に心引かれ・・・て、楽しんでいるうち気がつくのだ。油気の無いばさばさの黒い髪をして目の精気の突出しているこのステキなバルサ! その主人公のバルサがこの作品では主人公ながら意外に姿が見え難いと・・・その不満は・・・次の「闇の・・・」では、その彼女の過去が主人公の様に立ち上がって・・・ジグロが主人公の様に最後はみえてくるところが・・・泣けてくるようだ。 二人の人生の絡まりあいが、人間の生きる道の一筋縄でいかない愛憎が濃厚に匂い立つ。 そこにしびれてしまった。 だから私は「闇の・・・」の方がより好きだ。
「獣の奏者」ではエリンから目が離せなくて、彼女の人生にワクワクと寄り添ったのだが、この作品ではバルサ、彼女の過去にしっとりと寄り添った感じがする。 
物語をとやかく言う必要も、感想を事々しく言う必要も無い、しあわせになれる、人を愛せる物語世界に浸る楽しさを満喫できました。
 

三匹のおっさん

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三匹のおっさん 三匹のおっさん
有川 浩文藝春秋 2009-03-13
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有川浩著

なんか書評では面白そうに書いてあったので・・・ストレス解消用かな?ぴったりかも?・・・と、借りてみた。
だってストレスないと思っている人のストレスの方が実際は危険なんだって話もあることだし・・・? 
おっさん、それも紛れも無く定年を迎えてしまったおっさん!には含むところもあるのよね・・・小気味良いおっさんがこの世にあるものなら・・・読んでみようじゃないの。 ひょっとしたらおっさんに好意を持てるかもしれないし?まぁ、そこまで期待するのはどんなもんかとは思うけどさ・・・みたいな? 時々オバサン同士でそこはそれなりに?ストレス解消作戦を行ってはいるのだけれどね。
そしたら、なかなかこの3匹のおっさんはいけてた!いや、ほんと、なかなか! ま、あら、これ漫画原作?なんてカバーで思わないでもなかったんだけど・・・ま、確かに漫画チックではあったし、あまりといえばあまりなステレオタイプ人間の氾濫ではあったのだけど・・・それでも確かに小気味良かったし。 何にも考えないで読めるのは確かにいいけれど、そこはそれなりに60年も生きていた人の知恵も道具もなかなか・・・いい知識?として役にたつかも・・・的に良かったし。 この作家「図書館戦争」というのがいいらしいという知識もこの際仕入れたのだけど・・・そうだね、「なんかストレスあるかも?」と、意識した日のためのお取りおき用にマークしておこうかな。
さわやかで、前向きで、家族も友情も淡い恋心?もすべてに調子が良かったな・・・うん。いい調子。すべからくこう行きたいもんだね。
 

出世花

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出世花 (祥伝社文庫) 出世花 (祥伝社文庫)
高田 郁祥伝社 2008-06-12
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高田郁著

「おくりびと」の記憶もまだ新しいので・・・おや?と思いました。
それでも、この作品のオリジナリティと言うか、目新しく、書かれた世界は鮮烈で、見事でした。 新鮮さが初々しさにもなっています。どんなに偉そうに書かれた作品よりも、どんなに哀れに描かれた人よりも、どれだけこの世界の人が美しく清らかに愛しく思えるか? 不思議なくらいです。 同じ主人公の中篇三作です。
江戸時代の葬式のあり方など、多分にこの作家は調べつくして描いているのだろうと思いますが、死を描く作品は時代劇にはどれだけ多いことか・・・改めて思い返しています。 侍ものにしろ世話物にしろ人間を描けば死は避けて通れません。 でも送る人の心に送ることの自然を受け入れさせてくれるような作品はこれまで無かったでしょう? 結婚と誕生と葬式、この3っつを経て人は大人と成る。それでも死はやっぱり目をそむけたいものでした。 こんな風に正面に見つめること、しっかりと向き合うことの大事を改めて思いました。教えられたということでしょうか。
「おくりびと」もその原作か原案かなにかそんなものがあるようですが読んでいませんので、私には本で読む始めての世界でした。
そしてこの作品の主人公正縁ともう一人の主人公?正念の心の奥深さはどうでしょう?この幼い少女のあっという間の?十年が、1話ごとに確かに辿れるようです。 死ならずとも多分しっかり見るもの見据え受け入れるものがあれば人は独自に成長を遂げ豊かに目を見張らせるものになっていくのかもしれないと思いました。この二人が大好きな私でいられたら・・・と、思います。そうであれば、わたしも優しくなれるでしょうから。
それにしてもこの主人公の身の上には、「諦」と言う字が思い浮かぶ宿命がのしかかっているのに、なんと底明るいのでしょう? ふわっとありがたいような涙がにじむ世界でした。 この作家は素直です。その持ち味が大事にされますように・・・と、思いながら次作を手に取ろうと思います。

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