新参者 新参者
東野 圭吾講談社 2009-09-18
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東野圭吾著 

加賀恭一郎シリーズというものを8冊近く書いているらしい。ということを知って(「赤い指」と「嘘をもうひとつだけ」は既読)順次読んでいこうと思っていたのですが…TVに先を越されました。東野さんの新作はほとんど当分手に入りそうもありません。文庫になったものを選んで買って読み始めよう…と言っていた父から回ってくるのを待つほうが早いかな?古いものは手に入るからそれから読めばいいのに、新作の予約を図書館にしてしまうとそれを待つ気分になっちゃいます。といっている間に「赤い指」も「新参者」と同じ阿部寛さん主演でTVドラマ化されてしまいました。 「白夜行」の広告を見ない日はないし…東野さんは大ブームと言ってもいいかもしれません。                             阿部さんが私のイメージにぴったり合ったから、というより阿部さんファンだから、満足してドラマも堪能しました。    この作品は一章ごとに捜査の段階で浮かび上がる人形町の人々のドラマを丁寧意にやさしく見つめていて、その人ごとに小さな短編の趣があってとても読みやすい警察ものでした。 やはり阿部さんは一人オオカミのやさしいコロンボです。 最近見直していると、昔見ていた時よりコロンボにいやなものを見出している私ですが…この作品の加賀さんの暖かさは本当に心地よいです。 殺された主婦はあまりにも理不尽ですが、その理不尽さの周りにも地に足を着けて生活している普通の人々がいてその生活が普通に流れていて…というのが描きこまれていて、それがいいですね。                  加賀さんの捜査で人々の営みというものが浮かび上がってくるのが自然で読んでいて楽しかったです。 殺人事件の周りにたまたまいてしまった人々の普通の生活を傷つけない…こんな捜査を警察がいつもしていてくれたならなぁ…だけどこんな人間味も頭脳も兼ね備えた刑事を養成するのは…至難だなぁ。 人間の資質だよ…要は…と、まぁ思ったのですが。 いいドラマになっていました。

赤い指 (講談社文庫) 赤い指 (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2009-08-12
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嘘をもうひとつだけ (講談社文庫) 嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2003-02-14
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