まんまこと まんまこと
畠中 恵文藝春秋 2007-04-05
売り上げランキング : 80853
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools

manmakoto1.jpg

畠中恵著

お待ちかね、畠中さんの江戸時代ファンタジーです・・・じゃないの?、残念なことにお約束じゃないのね?妖怪変化なーし!不思議なーし!ファンタジーにあらず!てっきりシリーズ外でもあやかし物だと思い込んでいました。
ファンタジーではなくよろず揉め事承り候?
なんて書くと周平さんの「平四郎活人剣」を思い出しそうですが、ま、それ系の走り書きかな?
明るく書かれていますが・・・それはそれなりに・・・彼らは彼らなりに・・・優しいんだもの・・・生きていくのは色々あらあな・・・でも智恵があればさ・・・あわせる力があればさ・・・人の世はそれなりに渡っていけるのだわね・・・なんて、事件は色々あっても何とかなって・・・
楽しく読ませていただけますね。北原亜以子さんの複雑読み込み心理ものとは北と南の違い。
主人公の醸すムードは畠中さんの世界のレギュラー陣?
やっぱりこれは言われちゃうのでしょうね「畠中ワールド!」
それはとてもステキなことですよ。なんにせよカラーは見つけるまでが大変なのですから。デ、見つけられれば・・・鬼に金棒!
安藤さんのコンクリート壁も、クリムトの金ぴか装飾も、ユトリロの白いモンマルトルも・・・でしょう?
だから「こころげそう」というのは妖が出るのか出ないのか?分かりませんが予約しました。150人待ちのようです。「ちんぷんかん」はやっと25人待ちになりましたし・・・楽しみにはしているのですよ。とにかく時代物を中心にと。でもちょっと「まんまこと」は薄味だったようなきがしないでもないんですね。トリオが楽しいけど一寸躁が勝ちすぎかな。もう少し熟成させて欲しいような?そういえば「はなしあいをもつ」とか「説明の場を持つ」とか・・・翻訳文を感じさせられたのですが・・・今じゃ当たり前ですか?「設ける」とかより現代的なんでしょうか。一つ一つ事件を解決して主人公は成長し、結婚へと、大人へと、階段を上る。成長譚は実に気持ちよくさわやかに読めるジャンルだわい!と、思いながらそれでもなんとなくものたりない気分で、やっぱり「一太郎さんを待とう」という気分の読後感なんですねぇ~。