精霊の守り人・闇の守り人
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上橋菜穂子著
当分、上橋さん漬けになろうかな。
とりあえず読み直すために「獣の奏者」1・2巻は手に入れた。当然読み直しましたし。 3・4巻は文庫化するまで買うのは待つつもり。 で、序で手に入れたのがこの作品。 「守り人」シリーズがざっと6冊? 旅人シリーズが2冊?だから当分楽しみにはことかかないだろう。
本当に楽しみな作家である。 教えてくれた友人に感謝!
全巻読む前にとりあえず二冊の感想を書いておこう。
この作品も魅力的な世界がきっちり構築されている。ご丁寧にちゃんと地図も添えてある。 これだけで私はいつもどおり嬉しくなる。 そしてやっぱりこの国の言葉がある。 トールキンさんのように言語体系を構築しているわけではないが・・・勿論あれは別格中の別格。 それでもその言葉を読むたびにこの作品世界の中に埋没していく楽しさがある。
様々な人種溢れる世界。妖精らしきもの、霊魂らしきもの、神のごときもの、そして勇者。 権謀述作を労する権力指向悪人、健気な正義を愛する少年・・・冒険者の王道が素直に正直に展開される気持ちよさ。
「精霊の・・・」の方は精霊を宿したチャグムが主人公なのだろうか?この世界、精霊も妖精も水も二元の世界もあらゆる生き物が主人公なのだろう。その世界観がファンタジーなのだ。魅せられる。
日本人が、いや日本人に限らないだろうが太古から自然に畏敬を感じてきた人間の太古の魂がこの世界にも満ちている。
その世界で冒険があり、不思議感に運び去られる。楽しい。しかし頼りなげな感覚にも惑わされる。 この世界の星読みとか呪術師とかに気を取られ、日々成長していくチャグムに気を取られ、タンダの知識に心引かれ・・・て、楽しんでいるうち気がつくのだ。油気の無いばさばさの黒い髪をして目の精気の突出しているこのステキなバルサ! その主人公のバルサがこの作品では主人公ながら意外に姿が見え難いと・・・その不満は・・・次の「闇の・・・」では、その彼女の過去が主人公の様に立ち上がって・・・ジグロが主人公の様に最後はみえてくるところが・・・泣けてくるようだ。 二人の人生の絡まりあいが、人間の生きる道の一筋縄でいかない愛憎が濃厚に匂い立つ。 そこにしびれてしまった。 だから私は「闇の・・・」の方がより好きだ。
「獣の奏者」ではエリンから目が離せなくて、彼女の人生にワクワクと寄り添ったのだが、この作品ではバルサ、彼女の過去にしっとりと寄り添った感じがする。
物語をとやかく言う必要も、感想を事々しく言う必要も無い、しあわせになれる、人を愛せる物語世界に浸る楽しさを満喫できました。
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