図書館戦争

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図書館戦争 図書館戦争
有川 浩メディアワークス 2006-02
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有川浩著 

「三匹のおっさん」を読んだ時に書き置いたと思うけれど…今度、何かストレスがあった時のためにお取り置きしておこう…なんて。 で、ストレスがあったのか?と、聞かれると…あったのよね、これが。 だけどそれはどんな本でも読めば晴れるって種類のものではないからねぇ。  だからと言って気分転換できるものなら何でもすがってみようかな?って部分も時にはあるじゃない?というわけでこの本を読む羽目になりました。この本の世界は実に前向きです。 作家的に言うなら「無駄に前向きです」ありがたいことに!です。 ま、私に青春は取り戻せるものでもないんですけれど…でもね、青春はいいなぁ…なんかあっても何とかできる時を持っているんだものね。なんて、しみじみしちゃったところもありますが…まだ若い人には笑ってだけ?読めるかもしれない面白い小説ですよね。                              テイストは違っても、キングの「図書館警察」を、読んだことのある人なら思い出すかもしれません。 もしくは三崎亜記さんの「図書館」をね。図書館って膨大な想像力の象徴みたいなものですものね。 何でもイメージできますよね。      ここでは映倫とか…小学校にボランティアで本読みに行って渡された「小学生に読んであげたい百冊の本」みたいなパンフ(どっか行っちゃったけど)とか…芸術奨励賞とか…色々ぽたっと思い出しました。ダメって言われた本ほど読みたいとかって思い当然ありましたし、隠れて読む術も当然身に着けていましたよね、子供のころ。                  そして本が好きな人すべてにぴたっと図書隊員・防衛員の気質ありますものね。だから郁さんのキャラクターに乗っかって過剰に楽しめちゃう本でした。 こんな自己規制人が横行する世の中、警察国家になっていきませんように。なったら老骨・老残の身に鞭打って?!防衛隊後方支援に回る所存です。 

茗荷谷の猫

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茗荷谷の猫 茗荷谷の猫
木内 昇平凡社 2008-09-06
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木内昇著

「染井の桜」「黒焼道話」「茗荷谷の猫」「仲之町の大入道」「隠れる」「庄助さん」「ポケットの、深く」「てのひら」「スペインタイルの家」短編9つ。木内さんが直木賞受賞して「のぼり」さんと呼ぶ女性であることを知りました。 受賞作の「漂砂のうたう」は出遅れて、図書館で借りられるのは…270人待ちです。ある意味意外でもあります。宮部みゆきさんの「小暮写真館」などは半年も前に予約して…まだ350人待ちですものね。もっとも私は賞というものを取ったからって予約することはあまりないのですが。「漂砂…」は描いている時代と人に矯味があります。                 この作家の作品は以前「染井の桜」を朗読された方がいて、のぼるさんと呼んでいたように記憶していました。 いいなと思い作品を検索してみたらなぜか新撰組関係が多いようでした。ですからてっきり男性だと…。が、まだ作品は少ないです。 しかし今回この作品(すぐ借りられたので)読んでみてなかなかの短編作品群に感嘆しました。うまいです。 少しずつ関連のある何かによって作品が続いていくのですが…そのつながりの妙はおいておいても、一つ一つが全く別種の趣を奏でています。 ま、好きなのも嫌いなのも。 でもそれぞれに不思議な興趣があって…読まされました。              たぶん私には「染井の桜」と「てのひら」が一番素直に読めたと思います。 特に「てのひら」は自分の身に沿ってくるというか、時代の雰囲気、母と娘の微妙な感情の擦れ違い思い入れというものが身近で、感傷に飲み込まれました。この作品群を読んで、この作家は「私好きだな」と思わされたのですが、それより文体やそこに横たわる感情の微妙な危うさが奇妙なねじれを感じさせて…一筋縄ではいかない作品を提供してくれそうだな…と背筋がゾクゾクっとします。楽しみでもあります。 その感じは「茗荷谷の猫」とそれに続く「隠れる」で気持ちに引っかかるとげのようなものがざわざわするのですが、「てのひら」で何がしか家に関してはほっとさせられて、それが読後感をよくしているのかもなぁ…。             内田百閒さんて「まぁだだよ」のあの先生ですよね?いったい本当はどんな人だったんだろうね?と、妙に気になっていますが。 

新参者

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新参者 新参者
東野 圭吾講談社 2009-09-18
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東野圭吾著 

加賀恭一郎シリーズというものを8冊近く書いているらしい。ということを知って(「赤い指」と「嘘をもうひとつだけ」は既読)順次読んでいこうと思っていたのですが…TVに先を越されました。東野さんの新作はほとんど当分手に入りそうもありません。文庫になったものを選んで買って読み始めよう…と言っていた父から回ってくるのを待つほうが早いかな?古いものは手に入るからそれから読めばいいのに、新作の予約を図書館にしてしまうとそれを待つ気分になっちゃいます。といっている間に「赤い指」も「新参者」と同じ阿部寛さん主演でTVドラマ化されてしまいました。 「白夜行」の広告を見ない日はないし…東野さんは大ブームと言ってもいいかもしれません。                             阿部さんが私のイメージにぴったり合ったから、というより阿部さんファンだから、満足してドラマも堪能しました。    この作品は一章ごとに捜査の段階で浮かび上がる人形町の人々のドラマを丁寧意にやさしく見つめていて、その人ごとに小さな短編の趣があってとても読みやすい警察ものでした。 やはり阿部さんは一人オオカミのやさしいコロンボです。 最近見直していると、昔見ていた時よりコロンボにいやなものを見出している私ですが…この作品の加賀さんの暖かさは本当に心地よいです。 殺された主婦はあまりにも理不尽ですが、その理不尽さの周りにも地に足を着けて生活している普通の人々がいてその生活が普通に流れていて…というのが描きこまれていて、それがいいですね。                  加賀さんの捜査で人々の営みというものが浮かび上がってくるのが自然で読んでいて楽しかったです。 殺人事件の周りにたまたまいてしまった人々の普通の生活を傷つけない…こんな捜査を警察がいつもしていてくれたならなぁ…だけどこんな人間味も頭脳も兼ね備えた刑事を養成するのは…至難だなぁ。 人間の資質だよ…要は…と、まぁ思ったのですが。 いいドラマになっていました。

赤い指 (講談社文庫) 赤い指 (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2009-08-12
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嘘をもうひとつだけ (講談社文庫) 嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
東野 圭吾講談社 2003-02-14
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