からくりからくさ
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梨木香歩著
今、2回目の読書にかかっています。…ってことは…つまりそう、この本買いました。梨木さん「家守綺譚」に次いで2冊目のお買い上げです。 で、すでに「りかさん」も買ってあります。 最近ではまれな現象です、上橋さんに続いてですから…私にとって。 この作品も好きでしたね。 一生色あせないで続けていける何かを見出した人って二十歳そこそこでも大人なのね? このりかさんの在る家で蓉子さんと暮らし始めた乙女たちはすでにそれぞれにしっかりした揺るぎない個性を持っているように見えます。あのころの私にはまだ自分は無かった。そう、こう生きたいという、か細い柱さえも持っていなかったし独り立ちさえしていなかった。 それなのにカルテッドを奏でるこの女性たちは…そう年齢的には乙女なのに一人前の女性の趣で…それぞれに揺らぎも恐れもあるだろうに…立っている!自分になっている。そのうらやましさに覆い尽くされてしまった。 たぶん一人一人が別々に生活していたらこうはならなかっただろうとは思う。この4人+りかさんが集中した結果の色合いが生み出す強さなんだろうけれど。そしてこう、必然的に?生み出された雰囲気が羨望のまとなのだ。 それに彼女たちがひきつけられ邁進していく仕事! その古典的な輝き! 梨木さんの世界だ。 染め、紡ぎ、織り…仕立て上がっていくなにか。
この蓉子さんの家で起こるすべてのこと、話される会話のすべてに満ちるもの、りかさんに主催される連綿としたもの。 そして古いおばあさんに充たされていた家から4人の女性と赤ちゃんが奏でるに違いないハーモニーを感じさせる新しい家への変化。 この扉を開けさえすれば、いい年をしていまだに柱のない私にもこのうら若きしっかり道を見ている女性たちに触発されるものを何かしら見つけることだろう。 もちろん、彼女たちの道には曲がり角はあるだろうけれど…それさえが彼女たちには…素晴らしいものじゃないの?
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