狐笛のかなた (新潮文庫) 狐笛のかなた (新潮文庫)
上橋 菜穂子新潮社 2006-11
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上橋菜穂子著 

「獣の奏者」シリーズも「守り人・旅人」シリーズもものすごく楽しく読めて…他にもこの作者の本を読みたいと図書館で探したら、この本を見つけました。この作品は日本のそう…何時代にあたるだろうか…戦国?いや妖怪が闊歩していた室町時代?…時代は特定できないまでも日本の情緒があふれた時代ファンタジーだった。 私が読み落としただけかもしれないけれど。戦国入口の管領の争いのイメージだろうか?なんて、考えたのだけれど、本当のところそれはどうでもいいので、異能の持ち主である少女とこの世とこの世ならぬあわいに生まれて心ならずも虜になった霊狐の不思議な物語だった。野火と呼ばれたあの狐君…あの真情!あんな心を持つ男の子?女と生れて心疼かない者はいないよね。そして結界や妖術の世界。そうちょっとロマンチックであまやかで健気なファンタジー。少女のころに読んだら心躍ったろうに…なんて醒めたようなことを言ってみてはいるが…実際はこの年になっても私はこういうものに心躍る。魔法が好きじゃない子供なんているはずがない。 ファンタジーやミスティックなものを読むたびにこういう作品がいまだに好きってことは…私は大人の顔をして…おばあさんになりかかっていて…なのに成長していないってことか?…大人びた顔をしようとして…ウソだよ、私はまだこういう作品を楽しめる自分が本当は好きなんだ。 「スイスのロビンソン」を神田の古書店で見つけてニコニコ顔になる自分が。