世話焼き長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫) 世話焼き長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫)
池波 正太郎新潮社 2008-01-29
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縄田一男選 新潮社

最近?多いのですねぇ・・・前からこんなの多かったのでしょうか?この頃サークルの方々の間でこういうアンゾロジーを見つけて読むのが流行っています。最初に気が付いたのは「川口松太郎の「紅梅振袖」が良かった」と言った人がいたからです。「えー、川口松太郎読んだのですか?それって舞台の脚本?劇?スゴーイ(なにがスゴイんだか?)」
「いや、何とかって言う短編集めた本に載ってたの」
そうか、朗読するのに長編はきつい。皆さんいい短編探すのに苦労しているんだ?そうかアンソロジーって手があったかっ!です。
「「小田原鰹」って言うのも良かった。」「誰の?」「忘れちゃった」で、
「あーそれ、私も読んだ乙川優三郎さんの短編集で」と口を挟み、「その人知らない、何とか長屋って本に他の作家と載っていたの」で、「何とか長屋って、他にどんなの載ってるの?周五郎さんのとか?」
「貸してあげる」となって、お借りしました。で、「小田原鰹」以外は初めての作品でした。
が、この掲載作家は皆一度は何か他の作品を読んだことのある作者ばかりでした。そしてどれもその作家を髣髴とさせられる作品でしたが、意外に?どの作品もいいのです。特に宇江佐さんは先だって1冊長編読んで今一だなぁ・・・なんて思ったのですが、この「浮かれ節」はそれよりずーっといい読後感で、主人公の心の動きありようと娘の寄り添う心ねがなんとも気持ちよい作品になっています。
早速父に都々逸の事を聞くと父の長兄くらいから上の年頃の人なら「たいてい都々逸は歌えたものだ、宴会ではよく都々逸を回したようだ・・・えーとーぉー ‘都々逸は野暮でも遣り繰りは上手 今日も七ツ屋で褒められたぁー’ なんてのから覚えたんじゃァなかったか・・・?」
って、伯父も生きてりゃ百歳。「戦後そういえばパッタリ聞かなくなったなぁ・・・」
北原さんの「証」も「切ない」気持ちのぎりぎりを描いて切なさいっぱいで読みきりましたが・・・この方の今まで読んだ作品の中では一番素直に「やりきれない世界」に溺れ切れたように思います。
池波さんの「お千代」も乙川さんの「小田原鰹」も時代小説を堪能させてくれる上手さが光るようで唸ってしまいますが、村上さんの「骨折り和助」は素直にいい作品でした。読んでいて、いいなぁこの人々・・・と嬉しくなります。人も世も捨てたモンじゃない!でしょうか。なるほどなぁ・・・いい作品選び抜いているなぁ・・・と他に二作ある長屋短編集も読んでみようと図書館に予約したところです。