ダン・ブラウン著   角川書店

さて、以前に「ナルニア国物語のスペシャル・エディション版」について書いてみたことがありますが、これも一寸似ています。
「本」を読むだけの「本」ではありません。
内容に基づいて、図や絵や資料が写真で挿入されているのです。
そこが「ヴィジュアル」ということです。
したがって本は分厚く重い!
「スペシャル・エディション・ナルニア国物語」ほど大きく、重くないのがまぁ、救いです。これなら何とか?持って読めないことはありません。
しかもとても親切です。売れると、こういう本も出るから楽しいですよね。
この本をもう一回読み直してみたいと思っていたので、図書館の目録にこの本を見つけて申し込みました。
実際読み直してみたら、見落としていたこと大発見!って、感じです。
こういう本だと、吹っ飛ばして?読めないので、かえっていいかもしれません。
面白ければ面白いほど、先へ先へと、すっ飛ばし読みしてしまうんですもの。
これなら集録してある写真をじっくり見ながらなので、吹っ飛ばせません。
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をじっくり見ながら、なるほど確かに隣にいるのは女性に見えるとか、腕の数を数えながら読めて、なるほどこの余分の1本の腕は?とか、Mの字を辿ることも出来るというわけです。
サン・シュルピス教会のローズ・ラインの写真も、武器にされてしまったその教会の燭台も、その場で実際の物の写真を見ながら、実感?できます。
ルーブルにある「岩窟の聖母」と、ナショナル・ギャラリーにある「岩窟の聖母」を並べて比べながら見ることも出来ます。
ちなみに私は数年の時を隔ててですが、この作品をどっちも実物を見ているのです。にもかかわらず、この本で読んだ時、当然?のことながら、その違いを思い出せたわけありません。
初めからこの違いの知識を持って見に行ったわけではありませんでしたからね。やっぱり必要に迫られてしっかり比べてみないと普通分かりませんよ・・・って、いい加減なのは私だけ?
あの当時レオナルドには「二枚の「岩窟の聖母」があるんだ!」くらいの知識しかなくて、違いが何によるものだか全く知りませんでしたから。
それでも美術館にある絵なんかは美術書で見つけやすいし、見たことあったりしますけれど、めったに見られない写真が収録されているのが嬉しかったです。
「太陽崇拝とキリスト教の融合」のところで「エジプトの太陽神の頭上の円盤がカトリックの聖人の光輪に化した。」と読む時、直ぐその前のページにはエジプトの太陽神のレリーフとカトリック教会の聖人のレリーフが並んでいれば、「なるほど!」が簡単。
象徴の図柄とか、教会の内部写真とか、オプス・ディの本部とかカステル・ガンドルフォとかロスリン礼拝堂とか見る機会なんてまず無いですものね。
アナグラムも綴りが横にちゃんと書かれていれば理解もしやすいというわけです。
「天使と悪魔」を読んだらローマに行きたくてたまらなくなったように、だからこの本を再読してしまうと「パリ」と「ロンドン」へ行きたくてたまらなくなります。
ロスリン礼拝堂なんか特に。
あれもこれも見逃した。あそこもここももう一度訪れて見たいわ・・・という気分をなだめるのには最適の1冊でした。
4500円が妥当かどうかじっくり考えて「愛蔵」するか・・・?
でも、図書館にあるからなぁ・・・もう少しすると?待たずに借り易くなるかもしれないし・・・と迷うところです。