モルフェウスの領域 モルフェウスの領域
海堂 尊角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-12-16
売り上げランキング : 26303Amazonで詳しく見る

by G-Tools

morufuleisu.jpg

海堂尊著
さて、今回のキーワード?は「コールド・スリープ」
未来の医療水準をあてにして、治療方法が確立するまで冬眠して待つ。…という医療?
SFにある命題ですが…現実にこんな日は遠くない…なんて気がしていますが。
実際できたとして、そこまで生にしがみつくだろうか?という単純な疑問が私にはありますけれどね。目が覚めたとき周りは元の私の環境じゃなくなっているなんてリスク怖すぎますもんね。 そう私は何より臆病者なんです。
ですからこの主人公涼子さんには…頭が下がってしまいます。
母より母性豊かで、恋人より忠実。 こんな愛!そしてこのような知性、地上にあるのだろうか?ってくらいに。
今回もお役人のあまりの保身、狡さ、事を消す才能?…さまざまな無能を医療の進歩の裏側で滞っている問題をカリカチュアにして見せていただいたような。 今の内閣のというか政治家の有様のひどさの上の官僚の情けなさ…にぴったり重なって来るから…いやになりますよ。
リーダーには先を走ってもらいたいものです。 あらゆる意味で…時代を追っかけてもらいたくありませんよね。 今回は白鳥さんではなく先端技術者の西野さんが狂言回しで…いつもながらそのパワーに引っ掻き回されつつ…なんだかまた今の医療レベルと厚生省のレベルの知識をしっかり得てしまったような…気分!
でも、ちゃんとドラマとしても、眠るアツシ君を見守る涼子さん、涼子さんと西野の丁々発止、さらに曽根崎さんの人間味…などなど楽しめました。