天国旅行 天国旅行
三浦 しをん新潮社 2010-03
売り上げランキング : 61709

Amazonで詳しく見る by G-Tools

tengokuryokou1.jpg

三浦しをん著
う~ん・・・と考え込んでいる・・・ってほど深刻ではないが、この作品は私(あくまで私の)の三浦さんカテゴリーに入れるか入れないか・・・と言うところで、である。
三浦さんの振幅も・・・作家なら当然当たり前なのだけれど・・・広い。
既に過去の偉人である作家達には敬意を表して言わないようなことも、私よりお若いこれからが長い作家には軽く言えてしまう。・・・と言う無礼なところをお許しいただきたいところです。
さて、それで・・・この作品です。
微妙なところで振り子が行ったり来たりです。
なんだか好感度が売り物?の自殺幇助サイトみたいな雰囲気がある題です。 好意を持っていいのだか眉唾なんだか? それもそのはず?自殺心中、生き死にが主題の7編の作品。このうちにこれは大好き!というテイストのある物は・・・。
好きの方に「初盆の客」を置いて次に「星屑ドライブ」、嫌いの方に「炎」と「君は夜」を置いてつりあいをとる軸が「森の奥」。 こぼれ落ちたのが「SINK」と「遺言」
ってところでしょうか。 「SINK」と「遺言」は思い込みに気持ち悪さがあって、埒外にしたいです。
作家にとって迷惑な読み方ですよね。そう思いながらやはりこう思って感想に印をつけています。心にしまって置く作品はやっぱり好きで心地が良くて愛せないとね。怖くても不可思議でも謎でさえも愛することは出来るけれどおぞましいのは無理です。そして明かりが見えないのもやはりそうです。 だけどこの年になれば明かりが無いことがあるということも分かり始めています。だからこそ明かりのある物を好感するのでしょうね。明かりのある作品が読みたくなる所以です。 死は身近になりつつありますが、願いは一つ。おぞましくないこと!です。