しあわせ食堂 しあわせ食堂光人社 2009-10-10
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武内ヒロクニ+毎日新聞夕刊編集部

しあわせ食堂・・・まさにね!
とは思ったが、どちらかって言うと「なつかし食堂」が寄り近いかも・・・と、思った。
ヒロクニさんの絵にはポカンとしてしまったり、微笑ませられたり、びっくりギョウテンしたり、心底から妙な頷き方をしたり、でもまぁ意表を突かれることの方が多かったのだけれど・・・幼き日を思い出させられたのも確かだなぁ。
殆どの執筆者がというか食べ物を挙げている人が私の同輩から年長者だったからだろう。心情的に実に見事にシンクロした。新聞の書評でそんな気がしたから、図書館に予約したのだが、まさに的中! くすくす笑ったり、妙にほろりと共感を感じたり、親兄弟を久しぶりに身近に感じたり・・・読み終わって思わず旦那に「君と全く同じような人が居るよ」と声を掛けてしまった。
大体、旦那は私が進める本は手にしない!
最近の数年間での例外は「火天の城」と「のぼうの城」と「忍びの国」だけである。その旦那が珍しく?夜を徹して読みふけったらしい・・・肝心の私がこの感想録を書く前に彼がもう既に日記に上梓していることから見ても・・・共感の度合いの大きさが窺われるというものだ。
戦中戦後直後派の食に関する「欠乏・飢餓」の意識は・・・多分もう私の世代には無いのにもかかわらず・・・何故か分かる!のだ。
母や義母のバナナへの執着や旦那の魚肉ソーセージへの偏愛を思うとき・・・何か切なさみたいなものまで心に忍び込んでくる。
ソースや焼きそばとかアンパンとか心をくすぐられもしたのだが、紅生姜と白いご飯には泣かされた。
誕生日とか何がしかの記念の日に贅沢な食事をしたり、一生右肩上がりに増え続けている我体重を思うとき、妙に忸怩ともするのです。