喋々喃々 喋々喃々ポプラ社 2009-02-03
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 小川糸著

「食堂かたつむり」というのを予約しようと思って図書館検索をして見つけました。肝心の「食堂・・・」の方はまだ当分届かないようですが・・・
意外なめっけもの!でした。なんてったって舞台が谷中のアンティーク着物屋さん。この頃街を歩いている時にアンティーク着物とかリサイクル着物とかの店を見かけると、なかなか素通りできない私です。
しかも子供の頃の私の行動範囲と少し被る谷中から鶯谷・日暮里・湯島と、なじみの有る通りや店屋が・・・「ああ、あそこだな?土手の伊勢屋?」
「ああ、美味しいけど並ぶんだ、あそこ。そういえば暫く行っていないなぁ、けとばしや」
「お、三社祭の日に丁度父といったところよ、アンヂュラス」
みたいにちょこちょこ出てくるのですから・・・嬉しい!
それにしても息子と同い年ぐらいの作家さんの作品に郷愁を感じさせられるってのも・・・なんとなく照れますなぁ。
昔の記憶の中の下町よりもう少しテンポのユルーイ感じの人々が行きかい、柔らかな時間が流れているような気がしますが、イッセイさんが纏う雰囲気には昔の町内のおじさんの匂いが嗅げたような。
しかし、こういうステキな町に生きていても、人生は儘ならないものですなぁ?ため息!それでも栞さんの生き方には他のどこより谷中辺りは似合うなぁ・・・こういう若い人の店増えているしなぁ・・・
栞さんのお店は別として、中途半端におしゃれな?軽い!店が浅草には随分増えたなぁ・・・頭をかなり絞っても、「この店の前身はあ~~~なんだったかな?どんな店だったっけ?」と思い出せないくらい微妙に少しずついつの間にか変化しているんですね。変わらないと思っていた故郷も。
だからこんな本はステキな息抜き・・・とはいっても栞さん・・・不安です。「今」はいつだって大事です!けれどねぇ・・・