医学のたまご (ミステリーYA!) 医学のたまご (ミステリーYA!)
ヨシタケシンスケ理論社 2008-01-17
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 海堂尊著

すっかり御馴染みになって、桜宮市の住人になって、しょっちゅう東城大の病院へ通っていて、先生たちの出入りにも、看護士さんにもすっかり顔馴染みになったおばちゃんのような気分がしています。
うちの市にはこんな子供たちが住んでいたの?え、天才君たちじゃないの!って、主人公の曽根崎薫君じゃぁありませんよ。高校生の佐々木君も含めて彼の友人の三田村君と美智子さんですよ。彼らが育ってくれれば桜宮の医療もそこそこ期待できるってものです。薫ちゃんも成長途上で期待値大ですけどね、勿論!なんて。
おかしなシチュエーションのおかしな子供たちですが・・・でも、子供は育っていくんだな、いいサジェスチョンがあれば、より立派に!って。
とにかくこのおかしな荒唐無稽系のお話の何が素晴らしいって、章題でしょうか。 彼は実践し続けているようですけれど・・・長続きしなかったことが今日の私を決定づけたのではないかとさえ思えるのですけれど・・・確かに昔本を読むと心を打たれた言葉とか、素晴らしい!と感歎した言葉を書き抜いてノート作っていましたっけ。あのノート結局どこへ消えたのだろう?「○○・・・とパパは言った」という彼の覚え書き。それが全部不思議な言葉だけど真理?「いえてる!」と頷ける箴言・・・でもって実にいい物語の進行役。そしてそれらが繋がって最後の「○○と僕は言った」と彼の成長に乾杯!
だけど手放しで面白かった!と、言えないのは私の方が子供だからかもしれない。「大人に成るのなんて厭だい!」と、言ってしまいたいほど桃蔵さんが惜しいから。必要な事を認められる大人にディア・カオル君は成ったんだね。いくらお父さんがフォローしようとも、彼(桃蔵さん)の将来を心配してしまうよ。彼は故郷に返してはいけないんだ、桜宮に大事な人材だよ・・・って思っているんだよ、患者の一人として。
しっかし、この作家、やっぱり恐るべし!なんだね。ステキ
まったくもう桜宮市図書館に登録しないと海堂先生の本は直ぐには読めないようですね。江東区の図書館さんも随分買い込んでくださっているとは思うのですけれど・・・