この本の事を書くに当たっては著者の名を特定する必要は無いと思います。
小学生の頃読んだのは岩波の少年少女文学全集に入っていたもので、今のかすかな記憶ではトマス・マロリーの著作を子供向けに翻案したものではなかったかと思うのですが・・・?
その後ブルフィンチの著作とトマス・マロリーの著作を読んだのでした。
アーサー王の物語は伝承文学の一つでばらばらに伝わったものを拾い集めてまとめた最初のがマロリーの本だったと読んだように記憶しています。
だから、本屋さんで見つけた誰の著作でもいいから手に取られる事をお薦めしたいなぁと思うのです。
いっぱいでています。
取りあえずは!

今何故この本について書こうと思ったかというと、先日新聞の書評欄で「アーサー王宮廷物語」ひかわ玲子著というのを見つけたからです。

「アーサー王宮廷物語」 ひかわ玲子著

見つけたからには・・・というわけで早速図書館へ。
早い話?これはそうですねぇ、NHKが先年放映した「ミス・マープルとポワロ」の漫画バージョン(ちょっとがっかりでしたねぇ、私的?には~作品の香りが水っぽくなっちゃったようで)とか、アレクサンドル・デュマの「王妃の首飾り」やシュテファン・ツヴァイクの「マリー・アントワネット」を下敷きにした池田理代子さんの「ベルサイユのばら」(これはオリジナルの部分が素晴らしいアイデアで素敵な作品になりましたねぇ)を思い出してしまうような感じといったら分かるでしょうか?
ひかわさんが独自に作り上げた魔法を使える双子のキャラクターを生かして、とても分かりやすい読み物になっていました。
多分沢山の方が例えばオペラの「パルシファル」とか「トリスタンとイソルデ」とかで、「赤毛のアン」が友達とした危機一髪の「シャーロットの姫エレーン」ごっこで、映画の「エクスカリバー」や近いところでは「キング・アーサー」「トリスタンとイソルデ」などで部分的に知識があるのではないかと思いますが、それがほぼ系統的に網羅されていましたし。
以前に外国の作品を読むなら是非読んでおくと役に立つものとして「ギリシャ神話」と「聖書」を挙げたことがありますが、この物語もそうなんです。
今話題の「ダ・ビンチ・コード」にも聖杯が出てきますね。
パルシファルと円卓の騎士たちの聖杯探索の冒険物語を読んでいれば、また違った楽しみと理解が「ダ・ビンチ・コード」からも得られます。
「ロビン・フッド」物とか「アイバンホー」とかイギリスの色々な冒険小説にも関連があったのじゃなかったかしら?
「インディ・ジョーンズ」にも聖杯を探す作品がありました。
そうじゃなくても「アーサー王の誕生からその死(アヴァロンでの長い眠り)」までの物語の中にちりばめられた多くのロマンスと冒険は絶対わくわくさせてくれます。
読めば好きな騎士が必ず出来ますって!請合いますよ。
私も子供の頃に心の中にある騎士を抱いてしまったので、この年になっても王子様(円卓の騎士には王子が多いんです)・「私の騎士」待望論者?なんです・・・トホホ。
そして何時かはケルトの地を踏み、ティンタジェル城を見るんだ!!!と、思っています。