アメンボ号の冒険 (講談社文庫) アメンボ号の冒険 (講談社文庫)
椎名 誠講談社 2006-07-12
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椎名誠著

先日小学校読み聞かせのボランティアの代理を頼まれて6年の教室にお邪魔しました。「何を読むかも考えてね」ということで、代理もこれが4回目。風邪を引くたびに急に頼まれると作品選びに大慌てで四苦八苦します。今までに4年、5年と読みに行きましたが・・・読書経験の傾向が完全に彼ら(今の小学生)と私では違っているようです。
終って雑談で「うさこちゃん」知ってる?「知らない!」「ピーター・ラビット知ってる?」「知らない!」
ホントかいな?って思いましたが、その日の6年生に「赤毛のアン」知ってる?と質問して数人が「聞いたことがある」でした。そんなものかー?と驚きました。なにしろその日に読んだのはモンゴメリーの短編の一つでしたから。ですから帰りに図書館へ寄りました。今度慌てなくとも済むように?6年生ぐらいに丁度いい物語を物色してみるか?と思ったのです。
で、たまたまこの本に出会いました。5年生の時に作者が実際に体験した冒険の記録です。借りてきて、実際、私が夢中になりました。こんな子供って今の世の中から駆逐されちゃっていますよ。でも、彼ら(アメンボ号の冒険者たち)だったら十五少年漂流記を生き抜くことができるんじゃありません?
でも多分私が行ったあの教室の6年生は絶対一人も保たないと太鼓判を押せます。って、私だってどうかな?もたないだろう!ですが。それでも「ロビンソン・クルーソー」「スイスのロビンソン」読んでますからね・・・心の準備だけはバッチリ!
子供たちにこういう本を読んであげたいなって思いますけれど・・・15分の持ち時間じゃね。だけどこういう本で得た知識ってバカにならないでしょ?スイスのロビンソンのお母さんの教えは今も私の頭の中よ。
このアメンボ号は今の幕張辺りの冒険でしたが、今のあそこにはそんな遊びを受け入れる自然がもうありません。この辺りの子供たちは毎日橋を渡り、運河を望みながら通学していますが、この運河でこんな遊び・・・テンから考え付かないでしょうし・・・そんな怖ろしいこと!って感じですよね、今の川の姿を見たら。
子どもたちの覇気の無さを憂えるより、子供たちに遊びの余地を残してやれなかった我世代の情けなさが身にしみます。想像力をゲームの中でしか培えない世の中です。身体を使わせようと思ったらお金をかけてしっかり指導者のいる自然キャンプに行かせることくらいしかしてやれないのかも・・・?この本の中の4人の男の子に、昔の近所の坊主どもを懐かしく思い出して・・・一緒に基地を作ったけんちゃんやふいた君やりょーぞーくんや久美ちゃんはどこでどうしてござるやら?