江戸の老人力 (集英社文庫) 江戸の老人力 (集英社文庫)
細谷 正充集英社 2002-12
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細谷正充編
「アンソロジーなら私こんなの買ったから」とサークルの方にこれもお借りしました。本当に皆さんよく探していらっしゃいますね。
短編12作品を収集掲載。今のところこの編者で「江戸の○○力」という題で5作、本が出ているそうです。「老人力」ってベストセラーになった本があったな・・・と、思いましたら編者が解説で「拝借」したと断っていました。文字通り老人を主題とした短編ばかりです。海野弘さんと穂積驚さん以外はよく存じ上げてる作家ばかりですが全編初読。
作家の顔ぶれを見れば皆どの作品も楽しませてくれること必定!みたいな顔ぶれです。安心して読み出せるところがこの手の本のメリット?しかもそれぞれに違う風に面白い!
時代小説というより読みやすく作文されたような感があったのですけれど、海野さんの「石臼の目切」が素直にいいなぁ・・・と読めました。
白石さんの「月と老人」が一番老人力が生きていましたか。そうだ「十時半睡」を島田正吾さんのTVドラマで見てから「読もう読もう」と思いつつ忘れていた事を思い出しました。読まなきゃ。
同じ老人を描いても女性を主題に据えたものには何故か枯淡の味わいが薄くて、男性を描いたものに味わいが出ているような気がしたのは・・・なんだか納得がいかない・・・などと思っていますが。
平岩さんの「泥棒が笑った」などは最後の老人の行動がかっこよくて「いよっ!」大向こうの声が聞こえそうですよ。同じく切れがいい活躍をするのに村上さんの紅蓮さまはちょっと生々しい。
「いさましい話」は「ああ、周五郎さんだ!やっぱり好きだなぁ・・・」と直ぐ分かる作品なのに読んだ記憶が無い。こんなわけで暫く私のアンソロジー傾倒傾向は続く?