こころげそう 男女九人 お江戸恋ものがたり こころげそう 男女九人 お江戸恋ものがたり
畠中 恵光文社 2008-01-22
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畠中恵著
 

「心化粧(こころげそう)」
口には言わないが、内心恋こがれること
江戸語辞典(東京堂出版)より

「恋は仕勝(しがち)」―恋愛は自分勝手にするものである。恋愛は周囲の者に遠慮せず、思い通りに進むものだ、の意

「乞目」―出て欲しいと望んだ采の目

「八卦置き」-八卦見。易者。多く大道で商う

「力味」―意地っ張り、強がりのこと

「こわる」―強がる、強情を張る
「幼なじみ」

と、各章は「幼なじみ」を除いて江戸語辞典から説明がされている。
この作者は今まで読んだ作品から感じていたのですが「数多(あまた)」という言葉がお好きなようです。多出します。気になります。引っかかっていました。
江戸の言葉らしい言葉を多用することで雰囲気を一層盛り上げようとする意図は分かりますけれど、やりすぎじゃない?こんなに気になるんだから・・・とまぁ。
そのセンスがこの作品の章題に結実?したようです。
今まで読んだ「しゃばけ」シリーズと底を流れるトーンは同じです。
ユックリとおだやかに、コッチは成り行きに気が付いているのに・・・お願いだからもうちょっとテキパキ、シャキシャキ進めてもらえないでしょうか?って思う部分もあります。
でもその長閑さを、お江戸風をファンは愛して選び取るのでしょう。
本当の江戸っ子ってきっとこうではなかっただろうけれど・・・もっとちゃきちゃきしてたかも?でもお江戸言葉に彩られて今よりスピードの遅い、表現のあいまいなゆったりとした情があって・・・「昔はよかった!」と、こうだったと思いたいファンの一人なんだな・・・私も。
現代に出てくる幽霊は絶対こんなに穏やかじゃないもの。トラウマとストレスと狂気に彩られて。でも200年昔は・・・って思いたいファン!恋や愛に敏感な女の子、鈍感な男の子、訳知りでイナセなお兄ちゃん、甘やかされたかわいい世間知らずなお嬢ちゃん、やり手で世話好きのお姉ちゃん・・・皆生き易かった時代があってもねぇ。幽霊だってまだ風情があった!よ。
そういう人々の心が行き違ったとしてもねぇ・・・殺人だって、まだ柔らかかった時代が・・・って、それは困るよ。

話は変わりますがTVの若旦那、ちょっと可愛いじゃありませんか。