ブルーベリー ブルーベリー
重松清光文社 2008-04-22
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重松清著

なんていえばいいのか、軽く読めてしまって、気分が分かるような?
分かったような気がするような・・・なんてことは無いながらも、悪い気分ではないような・・・だからといって凄く共感できるって感じでもないのだけれど・・・う~ん、悪くないねぇ・・・
ブルーベリーね?分かるようだわ?確かに思い出って甘酸っぱい?
それもかなりいいところ?甘過ぎもせず、酸っぱすぎもせず?
フッと心に浮かんできた思い出はそれと覚えていたものでなくとも、フッと過去を身近に引き寄せて、「あの頃」を懐かしいもののように色付けてみせる。
それもきっといい人なのね?って思わせる程度には優しく、柔らかく、そう甘酸っぱい。
過ぎた時代にはもっと酸っぱすぎるものや、苦すぎるものや、とっさに顔をそむけたいものもあるだろうけれどなぁ・・・この程の良さがこの作家の持ち味なのかもなぁ・・・
「カシオペアの丘で」はしつこすぎて苦くて・・・「青い鳥」は上手すぎだけど実にほどがよく優しくてなんとも言えずによかったけれど、
これはある意味薄いところが何気なく「思い出は思い出に過ぎない」と安心できて・・・このほどもいい。「ブランケット・キャッツ」も綺麗な心洗われる、心休まるお話でよかったし・・・。
この作家に意地悪されることは無いのかもなぁ・・・安心してお取りおきしておける由緒正しい品行方正な作家かも?なんて書かれると作家はいやだろうなぁ。でも今のところ、読んだものは、そうなんです。誰にでもお薦めできるけれど・・・本気でお薦めできるのは「青い鳥」かな。
で、暇があったらお読みなさいな、なんとなく安らぐわよ。みたいな?一話一話、同じ経験は無くとも相通じる何かは、何らかの記憶の欠片はあなたの人生にもきっと思い当たるわよ。みたいな?
ただ、最後の2編、特に「人生で大事なものは(けっこう)ホイチョイに教わった」のナカムラ君!いいなぁ。私より15年?若い世代の青春は分からないけれど、たどり着いたところはとてもいいなぁ。どんな青春を送っても成熟はそれなりに?やってくる!し、いいんだねぇ。