イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1) イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)
乾 くるみ文藝春秋 2007-04
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乾くるみ著 

「こりゃー、どうなんだろうなぁ?」と、文庫の後ろに書かれた「二回読みたくなる・・・傑作ミステリー」という惹起文に惹かれて読んでしまった私は疑問です。
ミステリーと思っていなければ多分既に最初の方で「なんだぁ・・・こりゃあこの時代のノーマルな学生世代の恋物語に過ぎなかったじゃないか~」と、不満に思ったことでしょう。
実際ばかばかしいほど(失礼)丁寧に一言一言、一状況一状況、一足一足、書かれた恋の進行状況は平均的に普通の経過を辿るもの以上のものには思えなかったからです。眉唾的な調子よさも「?」です。何百の恋を足して、何百かで割って?みたいです。せいぜい確かに実に見事に時代と流行歌の題がシンクロしていて・・・くらいのところでしょう?
あほらしいような、それでも少し懐かしいような・・・?
特にミステリー読みとしては非常に大雑把で注意力散漫な私は「夕樹に たっくん だって?ひどいこじつけの愛称!」とか「『アインシュタインの世界』?フーン、やけに怪しげに出てきたね、ここか?」
「あれ、数学科で富士通じゃなかったっけ?でも、蹴ったのね?学科が間違ってたっけ?」「こういう男が失敗して妊娠させるはず無いけどなぁ・・・」程度でさぁーっと読み進んでしまって、まさしく最後の二行目で「そういうこと?」となったわけです。
「たっくん?」って普通の声で繭ちゃんが電話にでるわけだよねぇ?そうかぁ!ヒョットすると・・・歌曲の年代順番も考えるべきなのかな?
だから確かに二度目?本に目を通しました。それは拾い読みで、まずは「辰也」って言う名前「確かにそれまでに出てきていないよね?」という確認と「他にどこで何を読み落としたのだろう?」という二つの確認作業でした。二回読みたいと思うほど面白い本だ!とは思えなかったのですが、確かに二回読まされたわい!という変な気分です。
こういうのやっぱりミステリー?