ジェネラル・ルージュの凱旋 ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂 尊宝島社 2007-04-07
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海堂尊著

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「 このミステリーがすごい!」で初めて眼に付いた作家さんです。図書館で手に入る順に読んでいます。

「あれ、間違えて予約したかな?これ読んだ奴だった?」
と、一瞬思いました。
「いや、だけど進行方向が少し違うような?読んでないでしょ?イヤ読んだよ。やっぱり読んでない。」
何しろ順番通りに読んでいない私です。「えー、今までこの作家の本で読んだのは・・・」からおさらいです。「螺鈿迷宮」「ナイチンゲールの沈黙」「チーム・バチスタ」・・・だけだよ、こりゃナイチンゲールだよ、どう考えても・・・と、自問自答しながら読み進めて、なんだ事件?はここ東城大学付属病院で同時進行しているのか・・・にたどり着きました。
小夜さんバージョンと翔子さんバージョン。または小児科バージョンと救急救命室バージョン。
そしてようやくアッチコッチで軽くアッチの状況が臭わされているのに気が付きました。「あ、はー、むふっ!」
「作品を繰り出す速さ!」と、この作家を畏敬の念で見始めていましたが・・・ヒョットするとこのシリーズどこまで引っぱるのか分かりませんが、ずーっともう最終案まで出来上がっているのでしょう。
凄い頭?だ!
前に劇画だ!と感心しましたが、今回も太いテーマはちゃんと理解させられた上で?面白くおかしく楽しく頭を突っ込んで一気読み!
ホント、男だなぁ!速水先生。かっこよすぎ!
こんな手腕と度胸と決意とを胸にたくし込んだお医者様、どこの自治体でも咽喉から手が出るほど欲しいでしょ?ところがどうやらそうじゃないようですね?何処かでこんな速水先生が逼塞している?逼塞していても居てくれればまだ日本医療は見込みがある?死に絶えている気配が怖い。
鬼より怖い赤字!公が付くところの一番怖い赤字!もっともお役人は赤字を埋めるのは税金と思っているから余り赤字に切実ではないんですよね・・・って結果が今の日本?
でも公僕さんだったらお願い、何が最優先事項で何に税金使うか真剣に考えてね?と、思うけれど、これが、専門家がいつも正しいとならないから難しいんだよね。立場立場を離れずに物を言っていたら迷走するだけ。
救急ヘリねぇ・・・こんなに毎日救急車が走っているのを見て、平気で道を空けない車が居るのも見て・・・渋滞で止まっているのも見てて・・・ここを乗り切れるのはヘリだけだけど・・・果たしてここからそのすぐ先の聖ロカ?まで救急ヘリで運ぼうという決断はどこで誰がするのかなぁ?あぁ、そうかあれは病院間移送に使うのか?いや大規模事故の時も使えるだろう?あの場合?この場合?・・・???
するってーと、それを判断できる人を育てなくちゃ、で、運ばれてきた人を有無を言わず受け入れられる救急病院を充実させなくちゃ。
で、そのためには救急医をもっと沢山育てて、配備しなくちゃ・・・と、最優先事項がどんどんわからなくなってきて・・・「専門家さぁん、しっかり考えてぇ!」と投げ出してしまったところです。公にお金が無くなると平均余命がどんどん短くなりますよぉ~高齢者の皆さぁん。でもマァ、これ以上伸ばさなくても良いような?
さてどこから手を付けてどこへ行けば安心救命社会?が出来るのか?
そういう意味でも?こういう面白い作品で一寸ばかし能天気であなた任せで生きている私をも考え込ませてくれるこのお医者さんは、凄い!