おまけのこ おまけのこ
畠中 恵

新潮社 2005-08-19
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畠中恵著

「しゃばけ」シリーズの本らしいものを図書館で予約しておきました。そして「しゃばけ」の次に読めたのがこの本です。
それで遅ればせながら「しゃばけ」シリーズが何冊でているのか調べてみました。01年「しゃばけ」03年「ぬしさまへ」04年「ねこのばば」05年「おまけのこ」06年「うそうそ」07年「ちんぷんかん」6冊ですね。それに外伝?「みぃつけた」と「つくもがみ貸します」つごう8冊楽しめるようです。
まだ2冊終っただけですから嬉しいですね。
先日シャンソンを一緒に聞きに行った友人が「告白」という歌を聞いて「あぁ、あんなに『愛している』って言われて見たい・・・」とため息をついていましたが、私は「あいしてる」と「ジュ・テーム」を何度言うか数えておけば良かったと思っていたのです。
「大事大事お前が大事!生きていてくれさえすれば嬉しい・・・」と親に言われ続ける若旦那。しょっちゅう仁吉と佐助の兄やたちにおでこに手を当てられている若旦那。まさに手当て!女にとっての心の手当ては「愛している」といわれ続けることかな?と「大事なら大事と言ってもらえることの幸せ」を思いました。
「言わなくても分かっている」ことは実際の人間関係の中では本当に少ないんですよ。その科白は面倒がりの男のおためごかしです。
実はなくとも口だけは使う男と実は有っても口が伴わない男が居たら女は口に騙される事を選ぶかもしれませんものね。
なんて事をつらつら思っていました。
この物語を読む幸せ感ってそんなところにもあるのかも・・・って。
思いっきり甘やかされることの幸せ!勿論若旦那にとっては「とんでもない!」でしょうが、他人事?で読む方はウラヤマシさで妙にいっぱいになって、病弱で儘ならない若旦那にうんと同情できて、妙な加減にずれて心配性な兄やたちに満足し、鳴家たちの様子にホッコリする!今の世の中への口に甘い薬みたいだ!

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真綿で包まれ、その上を絹で包まれ、さらにその上を黄金で包まれ・・・こらっ!って?一太郎君はちゃんと黄金でもくるまれていますもん!こんな最高のシチュエーション畠中さんはどうして思いついたんでしょう。
「しゃばけ」ではまじめに「ものの大事」「勿体無い」を考え込んだ私が、この作品ではただただ?のんびりさせていただきました。
一つ一つの章には切なさがあるのに、廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋さんには大きな心配の周りに柔らかななんともいえない甘い香りの風が吹いている。その風にまた吹かれたくなる。次は何が来るかな。