アガサ・クリスティ著

「トミーとタペンス」について総集編!

「秘密組織」1922年
「二人で探偵を」1929年
「NかMか」1941年
「親指のうずき」1968年
「運命の裏木戸」1973年
ポワロさんもミス・マープルも作品がいっぱいあってとても全部の感想を書くのなんて私の手には負えないけれど、トミーとタペンスなら・・・5作だし・・・なんて・・・気分は生意気!
5作読み終えた勢いってもんです?
でも書かれた時間に間があるせいか(1922年から1973年まで、クリスティ31歳から83歳までの間に書かれた作品です。)、読んで受けた印象がこれほどまちまちだと却ってなんか言いたくなるなぁ。

まずは最初の登場「秘密組織」
二人はまだ二人合わせても45歳を過ぎない若さです。でもこの話の後直ぐ結婚したんですからね。
物語の進行と共に友人から同志と発展して恋を悟る・・・というわけで、作品そのものも初々しくて展開が早くてトミーの冒険タッペンスの冒険とくるくる変わる書き方で私の頭も回転させられてふらふら!
ジェットコースターで事件を駆け抜けて二転三転「面白かった!」だったんですよ、30年ぶり?くらいに読み直してみたら。
難を言えば多分そのごちゃごちゃ感?ふるいにかけて整理したくなっちゃうくらい。
当然の二人のロマンスの成り行きは余りにもイギリス的?大団円。だからいっそ、気持ちがいいって感じでした。この作品が面白かったから全部読んでみようと決意!を確固としたんです。

二人で探偵を
短編集。シリーズとしてみれば「外伝」的な作品群です。これも過去作品を参照ということで。

「NかMか」は諜報活動物です。
だから「秘密組織」のその後になりますが、もう子育ては終って退屈な?中年です。といったって、今の私より十年若い!46歳で爺さん扱いされて、仕事が無い?ちょっと許せない設定!と、思いながら読み始めました。勿論あの行動的な楽観的な、成り行き=GO!派?の二人ですから、ちゃんと事件はあります・・・というわけでお国のために一肌脱いで、何も知らない子供の会話に私たち読者も悪戯中年と一緒にニヤリ!です。「こんなお遊びしてみたい!」って思いませんでした?胸がすく!ってもんです。
きっとそれぞれに?「私にもトミーがついていれば・・・!」とか「俺にもタッペンスがいたら・・・!」なんて、思った人入るんじゃないでしょうかね?溜飲の下がる楽しい終わり方でクリスティの「ニヤリ」が見えるようでした。

親指のうずき」は既に書きましたから先回参照ってことで。

「運命の裏木戸」はもうなんと言っていいか。
何時面白くなるか・・・ならないなぁ・・・まだかなぁ・・・あァ、じれったいなぁ・・・どういう風になるのよ・・・と思っているうちに大団円?
殺された庭師の爺さんは殺され損じゃない?子供の探偵団は消化不良じゃない?・・・結局大昔からの噂話から何を取捨選択したの?と、私にとってはじれったい、鼻をつままれたって闇!みたい。
で、誰が過去の何をついでいて、庭師は何を知りすぎたのか?
「?」ばかりがずーうっと終いまで、煙に巻かれたよう。わたしってアホ?やっぱり!探偵団には入れてもらえない?
トミーとタペンスも年はとっても好奇心と探究心を忘れず、平凡な老後にも謎の花はどこにでもある「秘密の花園?」はどこにでも・・・って感じでしょうか?
私も退屈しきった老夫婦のつまらない生活に倦みつかれたくなければ日常から謎を探し出すことね?そしてあちこち首を突っ込むこと!邪魔にされても、うっとうしがられても、って教えられました?
でも、終わりの2作は忘れちゃいそうだな・・・と、思いました。
トミーとタッペンスは若さが一番魅力です。