鉄の骨 (講談社文庫) 鉄の骨 (講談社文庫)
池井戸 潤講談社 2011-11-15
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池井戸潤著

池井戸さん4作目。 友人に「ハヤブサ」を見た後に「下町ロケット」の話をしたら、彼女が「その人TVでやっていた鉄の骨を書いた人?」「え、TVドラマになったの?」「誰だっけな、旦那が面白いって見ていたみたいよ」「えー!」で…予約しました。 面白いんならね。
以前、山崎豊子さんの作品にはまっている友人に「何で読まないの?」と聞かれたときに「あまりに作品が膨大で泥沼に落ちるかもって思うし、企業小説あまり興味無いし…」なんて答えたことがありますが。 池井戸さんの作品は(読んだものだけだけど)企業もの?かもしれないけれど限りなくエンターテインメントに近いっていうか…読みやすいのです。 手放しで楽しいという作品でもないのだけれど…夢中で読ませる力はあるし、知らない世界を目の前にありありと描出してみせるリアリティもある…と私は思う。 知らない世界にリアルを感じる私が社会的に幼いと言ってしまえばそれまでだけど、その私に共感まで抱かせてしまうのだから。
でも、経済小説とか企業小説とかに手を出さなかった人の心にまで興味を掻き立てる筆力には脱帽する。勢いがあるのね。
「空飛ぶ…」なんかはとても面白い!と手放しにはならないまでも良かった!と結末に安堵し、溜飲も下がったし、共感満載でしたものね。 読者に描いた世界の主人公に共感を抱かせる分り易さと一種の正義感を抱かせる何かがありますよね…。 そうか義憤とか正義感とか弱者に対する応援とか…恥ずかしくって思い上がりのようで普段使わない感情が刺激されるのかもしれないな。 そう、たいてい誰かを応援して読んでいるような…。 平太と宮崎顧問の妙な縁はちょっと手軽過ぎじゃないかとは…引っかかってはいるけれど…まぁいっか!だし。読んだ本がだぶらないようにと書いていた読書録だけれど、このごろ感想がどんどん簡単になっていく傾向だ。大体読み終わって数日もするとなんて題だったっけ?からどんな本だったっけ…になる。 だからこそ読書録はつけなければならないのだけれど…それを書き付けることすら忘れてしまう。 先週何読んでいたっけ?こう思う自分に愕然とする。 だからだから忘れずに書こうよと自分に言い聞かせている。