カササギたちの四季 カササギたちの四季
道尾秀介光文社 2011-02-19
売り上げランキング : 38715Amazonで詳しく見る
by G-Tools

kasasagi1.jpg kasasagi2.jpg

道尾秀介著

ずいぶん待って「月と蟹」が来て読み終わったと思ったらこの作品が思ったより早く届いた。「月と蟹」はまだ図書館では二百数十名が待っているがこの作品は百人待ちだ。 賞の威力はやはり大きいのか。 それにしても前作から数か月で出た作品なのだ…と、驚いている。
読後感はこの作品の方がはるかにいい!というか資質が全然違う…という感じ。同じ作家か?というくらい。油が乗ったんだろう!そういう時期なんだ!なんてますます楽しみにしている。ただねやはり流した感じは否めない。薄味と言ってもいいかな。惜しい!
この作品は三浦しをんさんの多田便利軒を思い出させた。 男2人組の小説は掃いて捨てるほどあるから…こういう事はありがちだけれど…テイストは似ている。
読みやすくて読後感のいい小説(短編4作)でした。 が、もう一つ何かスパイスが足らないような、終了感もないような…なんだかまだ終わったという感じがしません。 次作があるのだと思えば…ここまででもいいのですが…これで終わりだと…面白い思いつきの作品ね…で、終わってしまうような気がします。
人物は少々戯画的で分り易そうに読めるのですが、実はあまりよくわかりません。もう一つ深く人も関係も背景も描きこんでね…と思います。せっかくの人物!に設定!なのですから。