千両花嫁―とびきり屋見立帖 千両花嫁―とびきり屋見立帖文藝春秋 2008-05
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山本兼一著

「利休にたずねよ」か「火天の城」を読みたくて・・・検索したら・・・待ちが長い!じゃぁこの作家の作品を一つ読んでおきましょうか・・・です。
まだ、余り作品は無いのですね。図書館には9作品しかありません。
しかも時代物ばかり。これが面白ければ楽しみが増えようというものです。
場所が京都三条大橋の近くといいますから東海道を上り下りする旅人の多い絶好の場所に、駆け落ちして店を張った骨董商(道具屋)という始まりから・・・ただ者ではないでしょう?こんな一等地に店を出せる駆け落ち者なんてねぇ・・・
それは何故か?どうしてそんなことが出来たのか・・・お話は面白くなりそうな展開です。1話ごとに道具屋ならでの薀蓄もあるし・・・それに登場してくる人々が又豪華絢爛? 坂本はん勝はんに近藤・土方・沖田はん、芹沢はん等新撰組の面々、武市はん、岡田伊蔵まで・・・幕末の京都ですからね?尊王も攘夷もあったものか、商売は商売!
からふね屋おかみゆずさんの父の京都屈指の道具屋さんがいかにこの夫婦を夫婦として認めていくか?時代の荒波の中、様々な曲者客にいかに対処していくか?この時代のこの場所での商売の方針と客あしらい、道具の品揃えの面白さ、寄せ集めの店の奉公人をいかに上手に使いこなし育てていくか・・・捨て子だった真之介の親は?一話ごとに楽しめるのですけれど、なかなかその一話一話が巧いのですけれど・・・ちょっと巧すぎなんですね?
ゆずさんは生まれたときからよい物を見ることで養われた物を見る目を持ち、捨て子として拾われた店で鍛え上げられ商売を覚えた真之介との組み合わせが見事すぎて・・・いえ、当てられすぎて?ちょっと妬けるから?こんなに巧くいっちゃうなんて・・・ちょっと話が上手すぎでしょう。ゆずさんの大博打も、真之介の大博打もうまく中って、道具も人も見抜ける眼力を養いつつこの夫婦はどんな時代になってもちゃんと巧く生き抜いていくのだろうな・・・と、最後には暖かく見つめたのでありました。
とまぁこういうわけなのですけれど・・・これ当然続きがありますよね?
こうして時代物シリーズは作られる・・・のお手本みたいです。
時代設定も商売も登場人物も最高に?面白くなる可能性大なんです。楽しく甘く?気楽に読めます。それでもやっぱり話が上手すぎと違いますやろか?眉唾眉唾でもあり、本当に続きが読みたいのか少々迷うところもありますが・・・。道具が人を育てるからふね屋の皆さんもですが、真の虎徹を手に入れたとき、道具に育てられて近藤さんも物になるのかもしれまへんなぁ・・・なんて思うてるこの頃です。