夜明けの街で 夜明けの街で
東野 圭吾角川書店 2007-07
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東野圭吾著

読み始めて・・・なんか・・・「嘘でしょう?」という感じがしました。
軽い乗りの一人称で始まり・・・「あれ、普通に不倫話で、コミカルに持っていくのかなぁ?」これでは・・・この一冊持たないでしょう?
ここのところチョイスした東野さんの作品は皆重い話でしたから「こういうのあっても良いのかなぁ・・・でも、なんかあるでしょう?これから?」という気持ちで読み進み・・・「そうかこう来るのね?」とサスペンスミステリーを期待していました。
しかし「男ってどいつもこいつも同じなのね?」と諦め?の気持ちで読んでいたのですが・・・(って、我が家の宿六?さんがそうだというわけではないのですよ、念のため!少なくとももう一つ悧巧だと思いたい私です)男って悧巧な女性には軽く手玉に取られるものなのね?って。秋葉さんも妻の有美子さんも彼より上手です。
期待し始めた事件の方は余り興味をひきつけるほどの謎にはなりえず、それでも不倫の色付けとしては2時間サスペンスドラマ風ではあるけれど・・・読ませる上手さはちゃんとあって。
凄く男性が書きそうな気のする?卵のサンタさん、ああいう怖さは映像より筆です。一生懸命アドバイスしている新谷さんも「なにかありか?」と、思ったのに案外でした。結局二人の男は同じ道を歩いたということですね。秋葉さんがもう一つ捩れた強い女であったということだけで?どちらにしてもイベントのたびに必死になる主人公は面白い見ものでしたが、慰謝料と養育費を払っているただのサラリーマンと再婚するのは大変なことですよ!なかなか・・・!
愛と誠意で人生幸せになれるものなら・・・と、大向こうのオバサンは思っちゃいました。何気なく見せる技は妻の技巧、終末の切れの良さは愛人の技巧。将来の見切りの良さが女の命綱?
女二人の掌で転がった男の話で落ちたような気がします。やはり次に予約してある「流星の絆」と「ガリレオ」シリーズに期待しましょう。次を期待できる作家であることに変わりはありません。
ちょっと中年になってしまった男への人生の味付け?でも、塩を摺りこまれた後の赤剥けの痛みを忘れるまでは時間がかかるのよ。人生の終りで妻が忘れてはいなかった事を思い知らされる・・・タイテイはね!