ねこのばば (新潮文庫) ねこのばば (新潮文庫)
畠中 恵新潮社 2006-11
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baba5.jpg  畠中恵著

「しゃばけ」シリーズの三作目です。
私にとっては「しゃばけ」「おまけのこ」に続いて三作目が図書館からやってまいりました。わーい!ってくらい、楽しみになったこのシリーズ。
若旦那とお仲間の妖のお話・短編が5つ楽しめました。

「茶巾たまご」「花かんざし」「ねこのばば」「産土」「たまやたまや」
 
私の好きな順に並べ替えると「産土」「たまやたま」「ねこのばば」後の二つはどっちでもいいのだけれど「茶巾たまご」と「花かんざし」です。
正直なところ取り分けて感想を書き記しておかなくてもいいようなものですが、唯楽しませてもらった・・・でいいような。
相変わらずの若旦那は相変わらず病弱ですけれど、相変わらずのお仲間たちと相変わらずほのかな和みの風に吹かれているようです。
勿論それだけじゃありません。若旦那の一太郎の頭と心が活躍しますし、妖たちは行動します。
「産土」が好きなのはあの佐助・犬神の長い長い妖生?の一端が明らかになって妖は妖なりにこの世を渡っていくのは辛いんだなぁ・・・なんてほろとさせられた上に、おかしいな?と首を捻らされたからです。勿論読めば直ぐ分かりますよね・・・でも一瞬、私夢を見させられているのかな?ありえないことが起こっているぞ?ってほっぺを抓りたくなっちゃいました。このシリーズの足元を固める?大事な1篇です。第二作をまだ読んでいないわけですが、ヒョットすると仁吉の過去が書かれているのじゃないかと・・・気になりだしたところです。急いで予約確認しなくちゃ。
「茶巾たまご」が福神出現?妖の巣みたいなところに神も同居か?っていう楽しさがありながら上位にいかなかったのは、お秋殺しが後味の悪い事件だったから。「豆腐百珍」なら知っていますが「海苔百珍」ね?折角の名案もあんなふうに血塗られるとねぇ・・・?
同様なわけで、「花かんざし」も於りんちゃんのお母さん?おたかの病気が気に染まない!厭な気分だなってわけです。お雛さんここが初出なのね。こういうわけで知り合ったのか・・・と「おまけのこ」に繋がりました。(順番に読め!ですね)
「ねこのばば」が桃色雲の雲隠れ探索話や猫又救出作戦なら面白く安心して読めるのに・・・題一作の「しゃばけ」が血塗られた?話でも面白く読んだのに・・・何故か若旦那を知れば知るほど、若旦那には殺しは似合わないなっていう気持ちになってきて・・・。
「たまやたまや」はその点、この年になって?初恋にもならない淡い思いはいかにも若旦那らしいけれど?この年でこれじゃやっぱり思いやられて仁吉・佐助じゃないけれど若旦那心配で私も凝り固まりそう!でもこの薬種問屋の長崎屋の風には似つかわしい、ほのぼのさ!がやっぱりいいなぁ。