弁護士探偵物語 天使の分け前

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弁護士探偵物語 天使の分け前 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 弁護士探偵物語 天使の分け前 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
法坂 一広宝島社 2013-01-10
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法坂一広著

読み始めて、錯覚を起こした…原尞さん?…原さんを読んだのは随分以前のことだけど…5冊読んで…そのあと作品を見かけていない。 絶対ファンはいるはずなのに…父のほかにも…ってこの5冊も父から回ってきたのだったっけ…
それくらい原さんを思い出すくらい…当然マーロウを思い出すことにもなったのだけど…。 私はぼんくらな読者であまりしっかり読み込む性質ではなくて…物語だけを楽しむただの活字中毒読者だから、何と言っていいのかわからないのだけど、感覚の上では原さん二世?その末枝?って印象。
だから当然読みやすくて私にとっては慣れた読みやすさで…この男っぽいのだか独りよがりなのか照れなのか…その饒舌さが少々うるさいながら、まぁ好もしい…と言ってあげようかってタイプ? 時々笑えて、時々なんだ? え、なんなのよ。
で、作品。 弁護士としてのスタンスが面白いから…つられて探偵?になってからも読み進めてしまった。 弁護士事務所の京子さんになったような気持ちだったのかも。 医療の腐敗というより特定の病院の不祥事はいくらでも思いつきそうだけれど…私もプラセボといえば…父の飲んでいた睡眠薬の半分はそれじゃなかったか?と内心怪しんでいるところだ。眠れない夜のために父から分けてもらっていたけれど…時にまったく効果の出ない夜がある。父も全く効かない夜には夜中に半錠追加してみるとよく言っていたっけねぇ~? この手の薬の半分はそうなんじゃないか?なんて…旦那にぼやいてみたらそんなことがあるかと一笑されたっけ。
でも金になるなら…なんて、
この話にはだから?まぁ乗って行けたってわけ。
最後まで読んだらこの作品は第10回このミステリーがすごい!大賞受賞作だと書かれていて…選考者たちの批評まで乗っていた。 4者4色の批評がみんななんとなく納得できたような…だけどその選考評まで本に乗せてくれなくてもいいのに…余計なお世話だったと憮然としている。(読まない自由も当然あったのに…) でもこの饒舌な(過ぎる)お人の作品が又読めるなら私は多分読んじゃうだろうな。原さんのように何作読めるか、先が見えないから心配なんだもの。

無双の花

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無双の花 無双の花
葉室 麟文藝春秋 2012-01-27
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葉室麟著

立花宗茂の義について書いた小説。
と、書き出したのは、この作品の前に 火坂雅志さんの「真田三代記」を読み終えたところだからである。 「義」と言っても人によってなんと違う事だろう。
「その人にとっての義」は他人にとっては常には義となりがたし。
しかしその人の義が人の心を打つほど見事であれば…それはまさしく「義」として認定される。…みたいなことを思って読んでいた。
この作品にも真田幸村が登場し、最近では? 義といえば上杉…上杉といえば直江兼続の義が一番に思い起こされるが…戦国時代にあって燦然と輝くのはなんてったって幸村! だけど彼の場合私は義というよりも心意気! というわけでうちの旦那の好きな武将の一人に数えられるこの武将立花宗茂の義は人生を分かち合った妻に誓った「大名として返り咲く」事だった…というのが…義であるかどうか?  それはさておき彼と妻の心の旅にはある種の感銘を受けた。 解かるから重くなり、重くなるから遠ざかり、遠ざかるから推し量り…結局は結び合っている。 こういう心模様にはなんとなく心当たりがある…つまりは心底は自分だけのもので愛する人にさえ知られたくない。でも知ってくれる人はかけがえない存在でもある。
相手を真実思わなければ知ることはないのだからね…などと、ごちゃごちゃこの夫婦の在り様を思っては見たが…。見事かもしれないが…その実心底淋しかったろうなぁ…妻は。
そっちの方に関心がいってしまったので、彼の返り咲きの話がすんなりとは私の腑には収まらない。ただこれだけは確かだと思うのは彼が歩む道に喜んで付き従った多くの見事な男たちがいたことだ。 これは男を測るのに最高に確かな目安だ。 彼の義を肯う男たちがいたってことにこの義の見事さは尽きるかも。戦国時代の武将は誰を取り上げても面白い。それだけ個が際立っていたのだなぁ、すごい時代だ。

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